古典和歌stream

新古今和歌集 - 後鳥羽院

思ひ出づるをりたく柴の夕煙
むせぶもうれし忘れ形見に

亡き人を思い出すその折に、折って焚く柴の夕煙よ。それにむせぶのもうれしい。忘れないための形見と思えば。

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新古今和歌集 - 慈円

思ひ出づるをりたく柴と聞くからに
たぐひ知られぬ夕煙かな

亡き人を思い出す折に折って焚く柴と聞くやいなや、ほかに比べるもののない、悲しい夕煙であることよと思われる。

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新古今和歌集 - 後鳥羽院

亡き人の形見の雲やしぐるらん
夕べの雨に色は見えねど

亡き人の形見である雲が、時雨を降らせているのであろうか。夕べの雨の中に、その色は見えないけれど。

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新古今和歌集 - 相模

神無月しぐるるころもいかなれや
空に過ぎにし秋の宮人

神無月の時雨の降るこの頃、涙に濡れるその衣もどのようであろうか。空しく過ぎ去ってしまった秋の宮にお仕えした人々よ。

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新古今和歌集 - 源師房女

手すさびのはかなき跡と見しかども
長き形見になりにけるかな

慰みに書いた、とりとめのない筆の跡と見ていたけれど、それが長く残る形見になってしまったことだ。

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新古今和歌集 - 馬内侍

尋ねても跡はかくても水茎の
行方も知らぬ昔なりけり

尋ね求めても、筆の跡はこうして書き残されていても、流れる水のように行方も知れない昔であることだ。

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新古今和歌集 - 徽子女王

いにしへのなきに流るる水茎の
跡こそ袖のうらに寄りけれ

もういない昔の人を思って泣く涙に流れる筆の跡は、浦に波が寄せるように、私の袖の裏にこそ寄ってきたのだった。

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新古今和歌集 - 藤原道信

ほしもあへぬ衣の闇にくらされて
月ともいはずまどひぬるかな

涙で乾かす間もない喪服の闇に心を暗くされて、明るい月夜とも言わずに、道に迷ってしまったことだ。

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新古今和歌集 - 藤原詮子

水底にちちの光はうつれども
昔の影は見えずぞありける

水の底に、たくさんの灯火の光は映っているけれど、父の昔の面影は見えないことであった。

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新古今和歌集 - 源信明

物をのみ思ひ寝覚めの枕には
涙かからぬ暁ぞなき

物思いばかりをして寝ては目覚める枕には、涙のかからない暁というものがない。

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新古今和歌集 - 藤原彰子

逢ふことも今はなきねの夢ならで
いつかは君をまたは見るべき

お逢いすることも今はもうない。泣きながら寝た夢の中でなくて、いったいいつあなたをまた見ることができようか。

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新古今和歌集 - 藤原生子

憂しとては出でにし家を出でぬなり
などふるさとに我帰りけん

世をつらいとして一度出家なさった方が、さらにその家をもお出になったという。それなのに、どうして私は、もとの里へ帰ってしまったのだろうか。

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新古今和歌集 - 源道済

はかなしと言ふにもいとど涙のみ
かかるこの世を頼みけるかな

はかないと口にするにつけても、いっそう涙ばかりがかかる。こんなこの世を、頼みにしていたことだ。

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新古今和歌集 - 源道済

ふるさとに行く人もがな告げやらん
知らぬ山路にひとりまどふと

ふるさとへ行く人がいればよいのに。その人に伝えてやろう。知らない山道に、ひとりで迷っていると。

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新古今和歌集 - 藤原長家

玉の緒の長きためしに引く人も
消ゆれば露に異ならぬかな

長寿の例として引き合いに出される人も、亡くなってしまえば、はかない露と変わらないことだ。

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新古今和歌集 - 和泉式部

恋ひわぶと聞きにだに聞け鐘の音に
うち忘らるる時の間ぞなき

恋い慕ってつらく思っていると、せめて聞くだけでも聞いておくれ。この鐘の音に託して言うが、ふと忘れられる時の間さえないのだ。

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