- 表題
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- 千載和歌集
千載和歌集 - 源雅通
別れては形見なりける玉章を
慰むばかり書きもおかせで
別れたあとには形見となるものだったのだなあ、手紙というものは。それなのに、心が慰められるほどには書き残しておいてもくださらないで。
千載和歌集 - 藤原俊成
恋をのみしかまの市に立つ民の
絶えぬ思ひに身をや替へてん
恋ばかりをして、飾磨の市に立って品物を交易する民のように、絶えることのない恋の思いと、この身を引き換えにしてしまうのだろうか。
千載和歌集 - 待賢門院安芸
恋をのみすがたの池にみ草ゐて
すまでやみなん名こそ惜しけれ
恋ばかりをして、菅田の池に水草が生えて水が澄まないように、添い遂げることもなく終わってしまうのだろうか。浮き名だけが立つのが惜しいことだ。
千載和歌集 - 藤原清輔
逢ふことはいなさ細江のみをつくし
深きしるしもなき世なりけり
逢うことは「否」とばかり拒まれて、引佐細江の澪標が深い水路の目印であるように、身を尽くしても、深い思いのかいもない二人の仲であったのだ。
千載和歌集 - 顕昭
人づてはさしもやはとも思ふらむ
見せばや君になれる姿を
人づてに聞くだけでは、それほどまでのことがあろうかと、あなたは思っているのだろう。見せたいものだ、あなたのためにすっかり変わり果てた私の姿を。
千載和歌集 - 平実重
あさましやさのみはいかにしなのなる
木曽路の橋のかけわたるらん
あきれたことだ。どうしてそんなにまで、信濃の木曽路の桟橋がかけ渡されているように、あなたは多くの人に心をかけ渡しているのだろう。