- 表題
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- 千載和歌集
千載和歌集 - 藤原経衡
古も越え見てしかばあふさかは
ふみたがふべき中の道かは
以前にも越えてみたことがあるのだから、逢坂は、踏み違えるような二人の間の道であろうか。手紙を宛て違えたりするはずがない。
千載和歌集 - 赤染衛門
かりにぞと言はぬ先より頼まれず
たち止まるべき心ならねば
狩りに行くのだ、仮初めのことだ、と言われる前から、あなたを頼みにすることはできなかった。立ち止まってくれるような心ではないのだから。
千載和歌集 - 隆源
恨みずは忘れぬ人もありなまし
思ひ知らでぞあるべかりける
恨まなかったならば、私を忘れないでいてくれる人もいたであろうに。相手のつれなさなど思い知らないままでいるべきであったのだ。
千載和歌集 - 待賢門院堀河
憂き人を偲ぶべしとは思ひきや
我が心さへなど変はるらん
つれない人を恋い慕うことになろうとは、思いもしなかった。あの人の心ばかりか、私の心までもが、どうして変わってしまうのだろう。
千載和歌集 - 上西門院兵衛
憂かりける世々の契りを思ふにも
つらきは今の心のみかは
つらいものであった前世からの宿縁を思うにつけても、つれないのは今のあの人の心だけであろうか。いや、前の世からの因縁もまたつらいのだ。
千載和歌集 - 藤原親隆
知るなれば如何に枕の思ふらん
塵のみ積もる床の気色を
枕は何もかも知っているというから、どのように思っていることだろう。恋人が訪れず、塵ばかりが積もっていく寝床のありさまを。
千載和歌集 - 藤原隆房
恋ひ死なば浮かれん魂よしばしだに
我が思ふ人のつまにとどまれ
恋い焦がれて死んだならば、身を離れてさまよい出ていく私の魂よ、せめてしばらくの間だけでも、私の思う人の衣の褄にとどまっていておくれ。
千載和歌集 - 殷富門院大輔
変はりゆく気色を見ても生ける身の
命をあだに思ひけるかな
移り変わっていくあの人の様子を目の当たりにしても、なお生きているこの身なのに、その命をはかないものと思っていたことだ。
千載和歌集 - 俊恵
君やあらぬ我が身やあらぬおぼつかな
頼めしことのみな変はりぬる
あなたが昔のあなたではないのか、私が昔の私ではないのか、はっきりしない。頼みに思わせてくれた約束が、すべて変わってしまったことだ。