古典和歌stream

拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

あらち男の狩る矢の先に立つ鹿も
いと我ばかり物は思はじ

勇猛な狩人の射る矢の先に立つ鹿でさえ、私ほどひどく物思いはしないだろう。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

荒磯の外行く波の外心
我は思はじ恋ひは死ぬとも

荒磯の外を寄せては去っていく波のような、ほかへ移ろう心を私は持つまい。たとえ恋い死にしようとも。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

かき曇り雨降る川のささら波
間なくも人の恋ひらるるかな

空が一面に曇って雨が降る川に、絶え間なく立つさざ波のように、絶え間もなくあの人が恋しく思われることだ。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

我がごとや雲の中にも思ふらむ
雨も涙も降りにこそ降れ

私と同じように、雲の中でも物思いをしているのだろうか。雨も私の涙も、ひたすら降りに降っている。

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拾遺和歌集 - 紀貫之

降る雨に出でても濡れぬ我が袖の
陰にゐながらひちまさるかな

降る雨の中に出ても、これほどには濡れない私の袖が、雨の当たらない物陰にいながら、涙でますますぐっしょり濡れていくことよ。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

これをだに書きぞわづらふ雨と降る
涙を拭ふいとまなければ

せめてこの手紙だけでも書くのに苦労している。雨のように降る涙を拭う暇もないので。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

君恋ふる我も久しくなりぬれば
袖に涙もふりぬべらなり

あなたを恋い慕う私も長い年月が経ったので、袖に涙も降り続いて、私と同じように古びてしまいそうだ。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

君恋ふる涙のかかる袖のうらは
巌なりとも朽ちぞしぬべき

あなたを恋い慕う涙がかかる袖の浦は、たとえ巌であっても、きっと朽ちてしまうにちがいない。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

まだ知らぬおもひに燃ゆる我が身かな
さるは涙の河の中にて

これまで知らなかった恋の思いの火に燃える我が身であることよ。そうはいっても、涙の川の中にいるというのに。

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拾遺和歌集 - 源景明

風をいたみ思はぬ方に泊まりする
海人の小舟もかくやわぶらん

風が激しいので、思いもしない方角の港に泊まることになる漁師の小舟も、このように困り果てているのだろうか。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

瀬を早み絶えず流るる水よりも
尽きせぬものは涙なりけり

瀬の流れが速いので絶えず流れていく水よりも、尽きることのないものは私の涙であった。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

我がごとく物思ふ人はいにしへも
今行く末もあらじとぞ思ふ

私のように恋の物思いをする人は、昔にも、今にも、これから先にもいないだろうと思う。

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拾遺和歌集 - 大伴坂上郎女

黒髪に白髪交じり生ふるまで
かかる恋にはいまだ逢はざるに

黒髪に白髪が交じって生えるまで年を重ねてきたが、これほどの恋には、まだ出会ったことがないのに。

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拾遺和歌集 - 大伴坂上郎女

潮満てば入りぬる磯の草なれや
見らく少なく恋ふらくの多き

潮が満ちると水の下に隠れてしまう磯の草なのだろうか、あの人は。逢うことは少なく、恋しく思うことばかりが多い。

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拾遺和歌集 - 大伴坂上郎女

志賀の海人の釣りにともせる漁り火の
ほのかに人を見るよしもがな

志賀の漁師が釣りのためにともしている漁り火のように、ほのかにでもあの人を見る手立てがあればよいのに。

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拾遺和歌集 - 大伴坂上郎女

岩根踏み重なる山はなけれども
逢はぬ日数を恋ひや渡らん

岩根を踏んで越えていくような重なり合う山が、二人の間にあるわけではないけれども、逢えない日々を恋い続けて過ごすのだろうか。

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