- 表題
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- 拾遺和歌集
拾遺和歌集 - 少将更衣
空に満つおもひの煙雲ならば
ながむる人の目にぞ見えまし
空に満ちるというあなたの思いの火の煙が、本当に雲であるならば、物思いにふけって空を眺めている私の目にも見えたでしょうに。
拾遺和歌集 - よみ人しらず
思はずはつれなきこともつらからじ
頼めば人を怨みつるかな
思っていないのならば、つれない仕打ちもつらくはないだろう。頼みにしているからこそ、あの人を恨んでしまったことだ。
拾遺和歌集 - よみ人しらず
紅の八入の衣かくしあらば
思ひそめずぞあるべかりける
紅に幾度も染めた衣のように、深く思い初めたけれども、こうなるのであったならば、はじめから思い初めずにいるべきであった。
拾遺和歌集 - 承香殿中納言
人をとくあくた河てふ津の国の
なにはたがはぬものにぞありける
人にすぐに飽きるという芥川がある摂津の国の、その難波という名のとおり、あなたは噂の名にたがわない人であった。
拾遺和歌集 - よみ人しらず
限りなく思ひそめてし紅の
人をあくにぞかへらざりける
限りなく深く思い初め、紅に深く染めたあの人への思いは、灰汁にも色が変わらないように、飽きる心には変わらなかったのだ。
拾遺和歌集 - よみ人しらず
有磯海のうらと頼めしなごり波
うち寄せてける忘れ貝かな
有磯海の浦のように、心の底から頼みにさせたあの人の名残の波が、打ち寄せてきたのは、恋を忘れさせるという忘れ貝であったよ。
拾遺和歌集 - よみ人しらず
数ならぬ身は心だになからなん
思ひ知らずは怨みざるべく
人並みにも数えられないこの身には、せめて心だけでもなければよい。物事を思い知ることがなければ、恨まずにいられるように。