古典和歌stream

新古今和歌集 - 清原深養父

煙立つおもひならねど人知れず
わびてはふしのねをのみぞ泣く

富士のように煙の立つ思いの火ではないけれど、人知れず思い悩んでは、床に伏して声を上げて泣くばかりである。

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新古今和歌集 - 藤原惟成

風吹けば室の八島の夕煙
心の空に立ちにけるかな

風が吹くと室の八島の夕煙が空に立つように、心もうわの空になって、恋の思いが立ちのぼってしまったことだ。

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新古今和歌集 - 藤原義孝

白雲の峰にしもなど通ふらん
同じ三笠の山の麓を

白雲はどうしてわざわざ峰にばかり通うのだろうか。同じ三笠の山の麓をさしおいて。

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新古今和歌集 - 和泉式部

今日もまたかくやいぶきのさしも草
さらば我のみ燃えやわたらん

今日もまた、あなたはこのように言うのだろうか。伊吹山のさしも草のように、それならば私ひとりが燃え続けてゆくのだろうか。

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新古今和歌集 - 源重之

筑波山端山繁山しげけれど
思ひいるには障らざりけり

筑波山は、麓の山や木の茂った山が重なり茂っているけれど、深く思いつめて分け入るのには、少しも妨げにならないことだ。

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新古今和歌集 - 大中臣能宣

我ならぬ人に心をつくば山
したに通はん道だにやなき

私ではないほかの人に心を尽くすあなたよ。筑波山の麓に、人目を忍んでひそかに通う道さえもないのだろうか。

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新古今和歌集 - 大江匡衡

人知れず思ふ心はあしひきの
山下水のわきやかへらん

人知れずあなたを思う私の心は、山の木陰を流れる水が湧き返るように、激しく沸き立っているのだろうか。

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新古今和歌集 - 清原元輔

匂ふらん霞のうちの桜花
思ひやりても惜しき春かな

美しく咲き映えているのだろう、霞の中の桜の花は。遠く思いやるだけでも、惜しまれる春であることよ。

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新古今和歌集 - 大中臣能宣

幾かへり咲き散る花をながめつつ
物思ひ暮らす春に逢ふらん

幾度、咲いては散る花を物思いにふけりながら眺めて、思い悩んで日を暮らす春にめぐり逢うのだろうか。

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新古今和歌集 - 凡河内躬恒

奥山の峰飛び越ゆる初雁の
はつかにだにも見てや止みなん

奥山の峰を飛び越えてゆく初雁のように、ほんのわずかに見ただけで、それで終わってしまうのだろうか。

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新古今和歌集 - 宇多天皇

大空を渡る春日の影なれや
よそにのみしてのどけかるらん

あなたは大空を渡ってゆく春の日の光だからだろうか。私とはかかわりなく、よそにばかりいて、のどかにしているのは。

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新古今和歌集 - 藤原伊尹

春風の吹くにもまさる涙かな
我がみなかみも氷解くらし

春風が吹いて氷が解け、水かさが増すのにもまさってあふれる涙であるよ。我が身という川の水源でも、氷が解けているらしい。

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新古今和歌集 - 藤原伊尹

水の上に浮きたる鳥の跡もなく
おぼつかなさを思ふころかな

水の上に浮かぶ鳥が跡を残さないように、あなたからは何の便りの跡もなく、気がかりなことばかりを思うこのごろであるよ。

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新古今和歌集 - 曽祢好忠

片岡の雪間に根ざす若草の
ほのかに見てし人ぞ恋しき

片岡の雪の消え間に根を下ろして萌え出た若草のように、ほのかに見かけたあの人が恋しい。

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新古今和歌集 - 和泉式部

跡をだに草のはつかに見てしがな
むすぶばかりのほどならずとも

せめてあなたの筆跡だけでも、萌え出たばかりの草のようにほんのわずかでも見たいものだ。草を結べるほどに伸びてはいなくても、契りを結ぶほどの仲ではなくても。

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新古今和歌集 - 藤原興風

霜の上に跡踏みつくる浜千鳥
行方もなしと音をのみぞ泣く

霜の上に足跡を踏みつけてゆく浜千鳥が、行くあてもないと鳴くように、私も恋の行方もないと声を上げて泣くばかりである。

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