- 表題
- -
- 拾遺和歌集
拾遺和歌集 - 藤原実方
年を経てみ山隠れの郭公
聞く人もなき音をのみぞなく
何年も深山に隠れて過ごすほととぎすは、聞く人もいない声で、ただ鳴いてばかりいる。私もまた、聞く人もないまま声を上げて泣いてばかりいる。
拾遺和歌集 - 藤原懐子
しばしだに陰に隠れぬ時は猶
うなだれぬべきなでしこの花
ほんのしばらくでも陰に隠れていない時は、やはりうなだれてしまうにちがいない撫子の花、そのように慈しまれてきた子の私は、母の庇護がないとしおれてしまいそうだ。