古典和歌stream

新古今和歌集 - 殷富門院大輔

もらさばや思ふ心をさてのみは
えぞやましろの井手のしがらみ

漏らしたいものだ、思う心を。こうして堰き止めてばかりでは、とてもこらえていられない。山城の井手のしがらみも、あふれる水をとどめきれないように。

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新古今和歌集 - 近衛天皇

恋しとも言はば心のゆくべきに
苦しや人目つつむ思ひは

恋しいとでも口に出して言えば、心も晴れるだろうに。苦しいことだ、人目をはばかって包み隠している思いは。

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新古今和歌集 - 源有仁

人知れぬ恋にわが身は沈めども
みるめに浮くは涙なりけり

人に知られない恋に私の身は沈んでいるけれど、あの人を見る目に浮かんでくるのは涙であった。

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新古今和歌集 - 源顕仲

もの思ふと言はぬばかりは忍ぶとも
いかがはすべき袖のしづくを

恋に思い悩んでいると口に出さないことだけは忍べても、袖に落ちる涙のしずくはどうしたらよいのだろうか。

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新古今和歌集 - 藤原清輔

人知れず苦しきものはしのぶ山
下這ふ葛のうらみなりけり

人に知られず苦しいものは、忍ぶ恋の、信夫山の木の下を這う葛の葉が風に裏を見せるような、恨みの思いであった。

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新古今和歌集 - 飛鳥井雅経

消えねただしのぶの山の峰の雲
かかる心の跡もなきまで

ただもう消えてしまえ、信夫山の峰にかかる雲よ。このように忍ぶ思いを抱く心の跡形さえ、なくなるまで。

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新古今和歌集 - 源通光

限りあればしのぶの山の麓にも
落葉が上の露ぞ色づく

忍ぶことにも限りがあるので、人目を忍ぶという名の信夫山の麓でも、落ち葉の上に置く露が色づいてゆく。

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新古今和歌集 - 二条院讃岐

うちはへてくるしきものは人目のみ
しのぶの浦の海人の栲縄

長く続いて苦しいものは、人目ばかりを忍ぶことで、信夫の浦の海人が栲縄を長く延ばして繰るように、果てしがない。

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新古今和歌集 - 藤原公継

忍ばじよ石間伝ひの谷川も
瀬を堰くにこそ水まさりけれ

もう忍ぶまいよ。石の間を伝って流れる谷川も、瀬を堰き止めるからこそ、かえって水かさが増すのだ。

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新古今和歌集 - 信濃

人もまだふみ見ぬ山の岩隠れ
流るる水を袖に堰くかな

まだ誰も踏み入ったことのない山の岩陰を流れる水のように、人知れず流れる涙を、私は袖で堰き止めていることだ。

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新古今和歌集 - 西行

はるかなる岩のはざまにひとりゐて
人目思はで物思はばや

遠く人里を離れた岩のはざまにひとりでいて、人目を気にすることなく、思う存分物思いをしたいものだ。

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新古今和歌集 - 西行

数ならぬ心の咎になし果てじ
知らせてこそは身をも恨みめ

物の数にも入らない私の心の咎だということにして、すべてを終わらせてしまうまい。思いを相手に知らせたうえでこそ、わが身をも恨もう。

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新古今和歌集 - 藤原良経

草深き夏野分け行くさを鹿の
音をこそ立てね露ぞこぼるる

草深い夏野を分けて行く牡鹿がまだ声を立てないように、私も声を立てて泣きはしないが、露のような涙はこぼれることだ。

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新古今和歌集 - 藤原重家

後の世を嘆く涙と言ひなして
しぼりやせまし墨染の袖

来世を思って嘆く涙だと言いつくろって、この墨染の袖をしぼろうか。

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新古今和歌集 - よみ人しらず

玉梓の通ふばかりに慰めて
後の世までの恨み残すな

手紙が行き交うことだけで心を慰めて、来世にまで恨みを残したりなさるな。

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新古今和歌集 - よみ人しらず

例あればながめはそれと知りながら
おぼつかなきは心なりけり

昔の例があるので、あなたが物思いに沈んで眺めているのはそういうわけだと分かってはいるが、はっきりしないのはあなたの心なのだ。

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