古典和歌stream

新古今和歌集 - 高松院右衛門佐

よそながらあやしとだにも思へかし
恋せぬ人の袖の色かは

離れたところからでも、せめて変だとだけでも思ってほしい。これが恋をしていない人の袖の色であろうか、いやそうではない。

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新古今和歌集 - よみ人しらず

忍びあまり落つる涙を堰きかへし
押さふる袖よ憂き名漏らすな

忍びきれずに落ちる涙を堰き返して押さえている袖よ、つらい浮き名を漏らしてくれるな。

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新古今和歌集 - 道因

紅に涙の色のなりゆくを
いくしほまでと君に問はばや

涙の色が紅に変わってゆくのを、いったい幾度染めたらこれほどになるのかと、あなたに尋ねたいものだ。

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新古今和歌集 - 式子内親王

夢にても見ゆらんものを嘆きつつ
うち寝る宵の袖のけしきは

夢の中ででも、あの人にはきっと見えているだろうに。嘆きながら寝入る宵の、涙に濡れた私の袖のありさまは。

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新古今和歌集 - 藤原実定

覚めてのち夢なりけりと思ふにも
逢ふは名残の惜しくやはあらぬ

目が覚めてから、あれは夢だったのだと思うにつけても、逢ったことは名残惜しくないことがあろうか、やはり名残惜しい。

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新古今和歌集 - 藤原良経

身に添へるその面影の消えななん
夢なりけりと忘るばかりに

身に寄り添って離れないあの人の面影が、消えてしまってほしい。あれは夢だったのだと忘れてしまえるほどに。

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新古今和歌集 - 藤原実宗

夢のうちに逢ふと見えつる寝覚めこそ
つれなきよりも袖は濡れけれ

夢の中で逢うと見た、その目覚めのときこそ、あの人のつれなさを嘆くときよりも、いっそう袖は涙に濡れるのだ。

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新古今和歌集 - 藤原忠良

頼めおきし浅茅が露に秋かけて
木の葉降りしく宿の通ひ路

あの人が来ると約束しておいたのに、浅茅に露の置くころから秋にかけて待ち続けるうちに、わが宿への通い路には木の葉が降り敷いてしまった。

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新古今和歌集 - 藤原経家

忍びあまり天の川瀬に言寄せん
せめては秋を忘れだにすな

忍びきれずに、天の川の瀬にことよせて思いを伝えよう。せめて年に一度逢う秋だけは、忘れることさえしないでほしい。

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新古今和歌集 - 賀茂重政

頼めても遥けかるべきかへる山
幾重の雲のうちに待つらん

帰って来ると約束してくれても、遥かに遠いにちがいない帰る山よ。幾重にも重なる雲のかなたで、私はいつまで待つことになるのだろう。

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新古今和歌集 - 藤原家房

逢ふことはいつといぶきの峰に生ふる
さしも絶えせぬおもひなりけり

逢うことはいつと言うのか、分からない。伊吹の峰に生えるさしも草が燃えるように、それほどまでに絶えることのない思いの火であった。

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新古今和歌集 - 藤原家隆

富士の嶺の煙もなほぞ立ちのぼる
上なきものはおもひなりけり

富士の嶺の煙も、なお高く立ちのぼっている。けれどもそれよりさらに上がなく、この上ないものは、私の恋の思いの火であった。

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新古今和歌集 - 藤原俊忠

なき名のみたつたの山に立つ雲の
ゆくへも知らぬ眺めをぞする

根も葉もない浮き名ばかりが立つ。その竜田山に立つ雲のように、行方も知れない物思いに沈んで、ぼんやりと眺めていることだ。

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新古今和歌集 - 惟明親王

逢ふことのむなしき空のうき雲は
身を知る雨のたよりなりけり

逢うことがむなしい、そのむなしい空に浮かぶ憂き雲は、わが身のほどを思い知らせる涙の雨を降らせるよすがであった。

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新古今和歌集 - 源通具

わが恋は逢ふを限りの頼みだに
ゆくへも知らぬ空のうき雲

私の恋は、逢うことだけを最後の頼みとしているのに、その頼みさえ、行方も知れない空の憂き雲のようにはかない。

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新古今和歌集 - 藤原俊成女

面影のかすめる月ぞ宿りける
春や昔の袖の涙に

あの人の面影のように霞んで見える月が、宿っていた。春は昔の春ではないのかと嘆いて流す、袖の涙に。

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