後撰和歌集 - 壬生忠岑
長い年を経ても濁りさえしない佐比江には、去っていた玉も帰ってきて、今こそ澄んだ水に住むにちがいない。
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後撰和歌集 - 藤原兼輔
かつてなじんだ三笠の山は遠くなってしまったけれど、その声は昔のままに親しく聞こえることだ。
後撰和歌集 - 凡河内躬恒
松を引き抜いて植えた人は、なるほど老いてしまったはずだ。松がこんなにも高く伸びたのだから。
後撰和歌集
小さな山田の鳥おどしのように驚かしに来たわけでもないのに、それほどひたすらに逃げてしまったあなたであることよ。
後撰和歌集 - 藤原能子
どうにかして、あの年切りもしない種がほしいものだ。荒れてしまった我が家に植えて見ることができるように。
後撰和歌集 - 柔子内親王
春が来るたびに、ただ出かけていって見ることにしよう。年切りもしないという種は、もう生えたと聞いているので。
後撰和歌集 - 藤原師輔
思っただろうか。あなたがこれまでの衣を脱ぎ替えて、濃い紫の色の衣を着ることになろうとは。
後撰和歌集 - 源庶明
昔から約束していたことなのだなあ。羽ばたいて、今にも飛び立ってしまいそうだ、この天の羽衣で。
後撰和歌集 - 大輔
古い都である奈良の都の始まりのころから着慣れてしまったとも見える、古びた衣だこと。
後撰和歌集 - 藤原雅正
古くなったからといって見捨てたりはしない唐衣なのに、それに自分をなぞらえて、わけもなく恨んだりされては困る。
後撰和歌集 - 大江千里
流れていく先の世も頼みにはしない。水の上の泡のように消えてしまう、つらい身の上だと思うので。
こうして共にいるのは今宵だけなのだ。緋の衣のあなたを、夜が明けたなら、よそ人として見ることになるだろう。
後撰和歌集 - 藤原温子
人を渡すことさえないのに、どうして我が身は、古びた長柄の橋のようになってしまったのだろうか。
後撰和歌集 - 伊勢
古びていく身は、涙の流れの中に見えるからだろうか、長柄の橋と見誤られるのだろう。
後撰和歌集 - 敦実親王
ひとりきりで物思いにふけって年を経てきた古里の、荒れ果てた様子を、どのような思いで見ていることだろうか。
後撰和歌集 - 大江朝綱
私はまじめなのに、浮気者という評判は立ってしまった。たはれ島に寄せる白波を、濡れ衣として着せられて。