古典和歌stream

後撰和歌集 - 少弐乳母

吹き出づるね所高く聞こゆなり
初秋風はいざ手ならさじ

吹き出してくる風は、その出どころが高い所だと聞こえてくる。この初秋の風は、さあ、手に慣らして気安くあおぐことはするまい。

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後撰和歌集 - 大輔

心してまれに吹きつる秋風を
山おろしにはなさじとぞ思ふ

心を配って、まれに吹いてきたこの秋風を、激しい山おろしの風にはするまいと思う。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

はかなくて絶えなむくものいとゆゑに
何にか多くかかむとぞ思ふ

はかなく切れてしまうに違いない蜘蛛の糸のような仲なのだから、どうして文を多く書くことがあろうかと思う。

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後撰和歌集 - いまあこ

昔よりくらまの山と言ひけるは
我がごと人も夜や越えけん

昔から暗いという名のくらまの山と呼ばれてきたのは、私のように、人もまた夜にこの山を越えたからだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

雲居路のはるけきほどのそら事は
いかなる風の吹きて告げけん

雲のかなたの道のように遠く隔たった所からの根も葉もないうそは、いったいどんな風が吹いて告げたのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

天雲のうきたることと聞きしかど
なほぞ心はそらになりにし

空の雲のように浮ついた根拠のない話だとは聞いたけれども、やはり私の心は空のように上の空になってしまった。

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後撰和歌集 - 元良親王

やれば惜しやらねば人に見えぬべし
泣く泣くもなほ返すまされり

破り捨てれば惜しい、破らずにおけば人に見られてしまうだろう。泣く泣くでも、やはりお返しするのがまさっている。

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後撰和歌集 - 素性法師

望月の駒より遅く出でつれば
たどるたどるぞ山は越えつる

望月の駒よりも遅れて出発したので、道をたどりたどりしながら、山は越えてきたことだ。

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後撰和歌集 - 藤原敦敏

万代を契りし事のいたづらに
人笑へにもなりぬべきかな

万代までもと約束したことがむなしくなって、人の笑いものにもなってしまいそうだ。

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後撰和歌集 - 大輔

かけて言へばゆゆしきものを万代と
契りし事やかなはざるべき

口に出して言うだけでも縁起でもないのに。万代までもと約束したことが、かなわないことなどあろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

散ると見て袖に受くれどたまらぬは
荒れたる浪の花にぞありける

花が散ると見て袖に受けたけれども、たまらずに消えてしまうのは、荒れた波の花であったのだなあ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

立ち騒ぐ浪間を分けてかづきてし
沖のもくづをいつか忘れん

立ち騒ぐ波の間を分けて潜り、沖から取ってきてくださった藻屑のようなもの、つまりお借りした沓のご恩を、いつ忘れることがあろうか。

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後撰和歌集 - 輔臣

かづき出でし沖のもくづを忘れずは
底のみるめを我に刈らせよ

潜って取り出した沖の藻屑のことを忘れないというのなら、海の底の海松布を私に刈らせておくれ。あなたに逢う機会を私にください。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

限りなく思ふ心は筑波嶺の
このもやいかがあらむとすらむ

限りなくあなたを思う心は筑波嶺のように高く深いけれども、筑波嶺のこの面ならぬ、この裳の出来はどうなっているだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

思ひ出でてとふ言の葉を誰見まし
身の白雲となりなましかば

思い出して見舞ってくれたその言葉を、誰が見ただろうか。もし私の身が白雲となって消えてしまっていたなら。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

忘れなむと思ふ心のつくからに
言の葉さへや言へばゆゆしき

私を忘れてしまおうと思う心がついたばかりに、言葉までも、口に出せば忌まわしいというのだろうか。

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