古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

世の中を知らずながらも津の国の
なには立ちぬるものにぞありける

男女の仲というものを知らないままでも、津の国の難波ではないが、名は立ってしまうものであったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

世とともに我がぬれぎぬとなるものは
わぶる涙の着するなりけり

いつもいつも私の濡れ衣となるものは、思い悩んで流す涙が着せるのであった。

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後撰和歌集 - 大輔

憂けれども悲しきものをひたぶるに
我をや人の思ひ捨つらん

つらくはあるけれども悲しいのに、ひたすらに、あの人は私のことを思い捨ててしまうのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

悲しきも憂きも知りにしひとつ名を
誰を分くとか思ひ捨つべき

悲しみもつらさも共に知った、同じ名で呼ばれる仲であるのに、誰を分け隔てして思い捨てることがあろうか。

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後撰和歌集 - 大輔

道知らぬものならなくにあしひきの
山ふみ迷ふ人もありけり

道を知らないわけでもないのに、山道を踏み迷うように、手紙の届け先を迷う人もいるのだった。

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後撰和歌集 - 藤原敦忠

白樫の雪も消えにしあしひきの
山路を誰かふみ迷ふべき

白樫に積もった雪もすっかり消えてしまった山道を、誰が踏み迷うことがあろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

言ふ事のたがはぬものにあらませば
後憂き事と聞こえざらまし

口に出した約束がたがわないものであったならば、後になってつらいことになったなどと、人に聞こえることもなかっただろうに。

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後撰和歌集 - 伊勢

面影をあひ見し数になす時は
心のみこそしづめられけれ

面影を、実際に逢った数のうちに入れて数えるときは、心だけは静めることができるのだった。

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後撰和歌集 - 伊勢

貫きとめぬ髪の筋もてあやしくも
経にける年の数を知るかな

玉を貫いて留めるわけでもない髪の筋によって、不思議にも、過ぎてきた年の数を知ることだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

なみかずにあらぬ身なれば住吉の
岸にも寄らずなりやはてなん

人並みの数にも入らない身であるので、波が住吉の岸に寄るようにはあの人のもとへ寄ることもなく、このまま終わってしまうのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

尽きもせず憂きことの葉の多かるを
早く嵐の風も吹かなむ

尽きることもなく、つらい言葉が多いのだから、木の葉を散らす嵐の風よ、早く吹いて払ってほしい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

島隠れ荒磯に通ふ葦鶴の
ふみおく跡は波も消たなん

島陰に隠れて荒磯に通う葦辺の鶴が踏み残した足跡は、せめて波が消してほしい。

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後撰和歌集 - 伊勢

身は早くなきもののごとなりにしを
消えせぬものは心なりけり

この身はとうに無いもののようになってしまったのに、消えずに残っているものは、昔を思う心であったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

睦ましき妹背の山の中にさへ
隔つる雲の晴れずもあるかな

仲睦まじいはずの妹背山の間にまで、隔てる雲が晴れないでいることよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

我がために置きにくかりしはし鷹の
人の手にありと聞くはまことか

私には手元に置きにくかったはし鷹が、今はほかの人の手にあると聞くのは本当か。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

声に立てて言はねどしるしくちなしの
色は我がためうすきなりけり

声に出して言わなくてもはっきりわかる。口無しという名の梔子の色は、私に対しては薄いのであった。

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