古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

世の中を厭ひがてらに来しかども
憂き身ながらの山にぞありける

世の中を厭うついでにここまで来たのだが、つらいこの身のままで、長等の山にいるのであった。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

下にのみ這ひわたりつる葦の根の
うれしき雨にあらはるるかな

土の下にばかり這い続けていた葦の根が、うれしい雨によって、すっかり現れることだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

滝つ瀬に誰白玉を乱りけん
拾ふとせしに袖はひちにき

激しい流れに、いったい誰が白玉を乱し散らしたのだろう。拾おうとしたら、袖はすっかり濡れてしまった。

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後撰和歌集 - 源昇

いつの間に降り積もるらん
み吉野の山の峡より崩れ落つる雪

いつの間に降り積もったのだろうか。吉野の山の谷間から崩れ落ちてくる雪は。

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後撰和歌集 - 宇多天皇

宮の滝むべも名に負ひて聞こえけり
落つる白泡の玉と響けば

宮の滝は、なるほどその名にふさわしく評判が高いのだった。落ちる白い泡が、玉のように響くのだから。

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後撰和歌集 - 遍昭

今さらに我は帰らじ滝見つつ
呼べど聞かずと問はば答へよ

今さら私は都へ帰るまい。滝を見続けていて、呼んでも聞こえないのだと、もし人が尋ねたら答えてくれ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

滝つ瀬の渦巻きごとに尋め来れど
なほ尋ね来る世のうきめかな

激しい流れの渦巻くところごとに、身を隠す所を探し求めてやって来たけれども、それでもなお追い求めてやって来る、世のつらい目であることよ。

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後撰和歌集 - 遍昭

たらちめはかかれとてしもむばたまの
我が黒髪を撫でずやありけん

母は、こうなれと思って私の黒髪を撫でたのではなかっただろうに。

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後撰和歌集 - 藤原元善

植ゑし時契りやしけん武隈の
松をふたたびあひ見つるかな

植えた時に約束でもしたのだろうか。武隈の松に、ふたたび巡り会ったことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

菅原やふしみの暮れに見渡せば
霞にまがふ小初瀬の山

菅原の伏見の里で、日暮れに臥して見渡すと、霞にまぎれて見分けがたい小初瀬の山であることよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

言の葉もなくて経にける年月に
この春だにも花は咲かなん

言葉をかけられることもなく過ぎてきた年月であったが、せめてこの春だけでも花は咲いてほしい。

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後撰和歌集 - 在原業平

難波津を今日こそみつの浦ごとに
これやこの世をうみ渡る舟

難波津を今日こそ見た。御津の浦ごとに浮かぶ舟、これがあの、この世を倦みながら海を渡ってゆく舟なのか。

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後撰和歌集 - 文屋康秀

白雲の来宿る峰の小松原
枝しげけれや日の光見ぬ

白雲が来てとどまる峰の小松原は、枝が茂っているからだろうか、日の光を見ることがない。

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後撰和歌集 - 土佐

身に寒くあらぬものからわびしきは
人の心の嵐なりけり

身に寒いわけではないのに、わびしく感じられるのは、人の心に吹く嵐であったのだ。

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後撰和歌集 - 土佐

ながらへば人の心も見るべきを
露の命ぞ悲しかりける

生き長らえたならば、あの人の心の行く末も見届けられるだろうに、露のようにはかない命が悲しいことだ。

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後撰和歌集 - 閑院大君

もろともにいざとは言はで死出の山
いかでか一人越えんとはせし

一緒にさあ行こうとも言わずに、死出の山を、どうして一人で越えようとなさったのか。

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