古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

名に立ちてふしみの里と言ふことは
紅葉を床に敷けばなりけり

名高く伏見の里と呼ばれるのは、散り敷いた紅葉を寝床として臥して見るからであったのだ。

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後撰和歌集 - 均子内親王

我も思ふ人も忘るな荒磯海の
浦吹く風のやむ時もなく

私も思い続けよう。あなたも忘れないでほしい。荒磯の海の浦を吹く風がやむ時のないように、絶えることなく。

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後撰和歌集 - 山田法師

あしひきの山下とよみ鳴く鳥も
我がごと絶えず物思ふらめや

山のふもとを響かせて鳴く鳥も、私のように絶えず物思いをしているだろうか、いやそうではあるまい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

今はとてあきはてられし身なれども
霧立ち人をえやは忘るる

もうこれまでと、秋が果てるようにすっかり飽きられてしまった身ではあるが、霧が立つように立ち去ってゆくあの人を、どうして忘れることができようか。

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後撰和歌集 - 藤原兼輔

思ひ出でて来つるもしるく紅葉葉の
色は昔に変はらざりけり

昔を思い出してやって来たかいがはっきりとあって、紅葉の色は昔と変わっていなかったことだ。

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後撰和歌集 - 坂上是則

峰高み行きても見べき紅葉葉を
我がゐながらもかざしつるかな

峰が高いので、本来は出かけて行って見るはずの紅葉を、私はここに居ながらにして髪に挿したことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

待つ人は来ぬと聞けどもあらたまの
年のみ越ゆるあふさかの関

待っている人は都に来たと聞くけれども、逢坂の関を越えて来るのは新しい年ばかりで、あの人は逢いに来てくれない。

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後撰和歌集 - 紀貫之

折々に打ちて焚く火の煙あらば
心ざすかをしのべとぞ思ふ

折々に火打ちを打って焚く火の煙が立つならば、その煙に、あなたを思う私の心ざしの香を偲んでほしいと思う。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

あだ人の手向けに折れる桜花
逢坂までは散らずもあらなん

移ろいやすい人への手向けとして折った桜の花よ、せめて逢坂の関までは散らずにいてほしい。

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後撰和歌集 - 橘直幹

思ひやる心ばかりはさはらじを
何隔つらん峰の白雲

遠く思いを馳せる心だけは何ものにも妨げられないだろうに、どうして隔てようとするのか、峰の白雲よ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

ふたみ山ともに越えねどます鏡
底なる影をたぐへてぞやる

二見山を共に越えるわけではないけれど、この真澄の鏡の底に映る私の姿を、あなたに添えて送り出すことだ。

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後撰和歌集 - 駿河

信濃なる浅間の山も燃ゆなれば
富士の煙のかひやなからん

信濃にある浅間山も燃えているというのだから、富士の煙を贈っても、甲斐もないのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

このたびも我を忘れぬものならば
うち見むたびに思ひ出でなん

今度の旅でも私を忘れないというのなら、この火打ちを打ち、ふと目にするたびに、私を思い出してほしい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

打ち捨てて君しいなばの露の身は
消えぬばかりぞありと頼むな

私を見捨ててあなたが因幡へ去ってしまったら、露のようにはかない私の身は、ただ消えずにいるというだけのことだ。生きているものと当てにしないでほしい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

惜しと思ふ心はなくてこのたびは
行く馬に鞭をおほせつるかな

名残を惜しいと思う心はなくて、今度の旅は、行こうとする馬に、かえって鞭を当てて急がせてしまったことだ。

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後撰和歌集 - むま

君が手をかれゆく秋の末にしも
野飼ひに放つ馬ぞ悲しき

あなたの手を離れて、草も枯れてゆく秋の末に、ちょうど野に放し飼いにされる馬のような私の身が悲しい。

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