- 表題
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- 新古今和歌集
新古今和歌集 - 恵子女王
よそへつつ見れどつゆだに慰まず
いかにかすべきなでしこの花
この撫子の花をあなたになぞらえて見ても、少しも心は慰まない。どうしたらよいのだろう、いつくしんだわが子をしのばせるこの撫子の花を。
新古今和歌集 - 和泉式部
おもひあらば今宵の空は訪ひてまし
見えしや月の光なりけん
本当に思いの火があるのなら、雨の降る今宵の空にこそ訪ねて来るはずだ。あの夜に見えた光は、月の光にすぎなかったのだろうか。
新古今和歌集 - 七条院大納言
思ひあれば露は袂にまがふとも
秋のはじめを誰に問はまし
物思いがあるので、たとえ袂の露が涙と見分けがつかなくても、秋の初めが来たことを、いったい誰に尋ねたらよいだろうか。
新古今和歌集 - 紫式部
めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に
雲隠れにし夜半の月影
久しぶりにめぐり逢って、見たのがあの人かどうかも見分けがつかないうちに、雲に隠れてしまった夜半の月のように、あの人は帰ってしまった。
新古今和歌集 - 三条院
月影の山の端分けて隠れなば
背く憂き世を我やながめん
月の光が山の端を分けて隠れてしまうように、あなたが山に入って隠れてしまったなら、あなたが背くこの憂き世を、私は一人ながめることになるのだろうか。