万葉集 - 倭姫王
木幡の山の上を大君の御魂が行き来しているのは、目には見えるけれども、じかにお逢いすることはできないことだ。
詳細を見る
ほかの人はたとえ思い慕うのをやめても、私には面影に見え続けて、忘れることができない。
万葉集 - 額田王
こうなるだろうと前もって知っていたなら、大君の御船が泊まった港に、標縄を張っておくのだったのに。
万葉集 - 舎人吉年
我が大君の御船を、待ち恋しく思っているのだろうか、志賀の唐崎は。
万葉集 - 石川夫人
楽浪の山の番人は、誰のために山に標縄を張って守っているのだろうか。大君はもういらっしゃらないのに。
万葉集 - 高市皇子
三輪山の山辺の麻の木綿は短い木綿であるが、そのように短い命であったのに、長く続くものと思っていたことだ。
山吹の花が咲いて飾っている山の清水を汲みに行こうと思うけれども、その道が分からないことだ。
万葉集 - 持統天皇
北の山にたなびく雲の、その青い雲が、星を離れて行き、月からも離れて。
万葉集 - 大伯皇女
伊勢の国にいればよかったのに、どうして都へ来てしまったのだろう。あなたももういないのに。
会いたいと思うあなたももういないのに、どうして来てしまったのだろう。馬が疲れるだけなのに。
この世に生きる人である私は、明日からは二上山を弟と思って見ることにしよう。
岩のほとりに生えている馬酔木を手折ろうと思うけれど、見せるべきあなたが生きているとは誰も言わないのに。
万葉集 - 柿本人麻呂
天を仰ぎ見るように仰ぎ見ていた皇子の宮殿が、これから荒れていくのが惜しいことだ。
日は照り輝いているけれども、夜空を渡っていく月が隠れてしまうのが惜しいことだ。
島の宮の勾の池に放し飼いにされている鳥は、人の姿を恋しがって、池にもぐろうともしない。
万葉集
我が日の御子が万代まで国をお治めになるはずであった島の宮よ、ああ。