万葉集 - 額田王
吉野の美しい松の枝は、なんといとしいことか。あなたのお言葉を持って通ってくることよ。
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万葉集 - 但馬皇女
秋の田の稲穂が一方になびき寄っているように、ひたすらあなたに寄り添いたい。人の噂がうるさくても。
あとに残って恋い慕い続けているくらいなら、追いかけて行こう。道の曲がり角ごとに目印を結んでおいてくれ、あなた。
人の噂がうるさく煩わしいので、生まれてこのかた渡ったことのない朝の川を渡るのだ。
万葉集 - 舎人皇子
立派な男子たる者が片恋などするものかと嘆くけれども、この情けない男子は、それでもやはり恋してしまったことだ。
万葉集 - 舎人娘子
嘆きながら立派な男子が恋い慕ってくれるからこそ、私の結った髪が濡れてほどけたのだろう。
万葉集 - 弓削皇子
吉野川の流れる瀬が速いように、わずかの間も淀むことなく、私たちの仲が続いてくれないものか。
いとしいあなたに恋い続けているくらいなら、秋萩の、咲いてはすぐ散ってしまう花であればよかったのに。
夕方になったら潮が満ちてくるだろう。今のうちに住吉の浅香の浦で玉藻を刈ってしまおう。
大船が停泊する港で揺れ動くように心が揺れて、物思いに痩せてしまった。手の届かない人の子のために。
万葉集 - 三方沙弥
束ねて上げればほどけ、上げなければ長すぎる妻の髪は、このごろ会わないうちに、もう結い上げてしまっただろうか。
万葉集 - 園臣生羽の娘
人は皆、今はもう長いから結い上げよと言うけれど、あなたが見たこの髪だから、たとえ乱れていても、このままにしておこう。
橘の木陰を踏んで行く道が八方に分かれる辻のように、あれこれと思い乱れている。妻に逢わないままで。
万葉集 - 石川女郎
風流な人だと私は聞いていたのに、宿も貸さずに私を帰してしまった。なんと間の抜けた風流人よ。
万葉集 - 大伴田主
私こそ風流な男であったのだ。宿を貸さずに帰した私こそが、本当の風流人なのだ。
私が聞いていた噂によく似て、葦の穂先のように弱々しく足を引きずっているあなた、どうかよく養生なさるがよい。