- 表題
- -
- 源氏物語
源氏物語 - 紫式部
思ふとも君は知らじなわきかへり
岩漏る水に色し見えねば
どれほど思っていても、あなたはお気づきにならないでしょう。湧き返って岩から漏れ出る水には、色というものが見えないのですから。
源氏物語 - 紫式部
うちとけてねもみぬものを若草の
ことあり顔にむすぼほるらむ
打ち解けて共に寝たわけでもないのに、どうして若草のようなあなたは、何かあったかのような顔をしてふさぎこんでいるのだろうか。
源氏物語 - 紫式部
今日さへやひく人もなき水隠れに
生ふるあやめのねのみなかれん
今日という節句の日にさえ、引いてくれる人もない水の底に生えている菖蒲の根のように、私はただ声をあげて泣くばかりなのだろうか。