- 表題
- -
- 源氏物語
源氏物語 - 紫式部
妹背山ふかき道をばたづねずて
をだえの橋にふみまどひける
妹背山のように姉弟であるという深い事情をたずねもせずに、緒絶えの橋のあたりで、文を送り、恋の道に踏み迷っていたことです。
源氏物語 - 紫式部
数ならばいとひもせまし長月に
命をかくるほどぞはかなき
人の数にも入らぬ並みの思いであれば、この長月をこそ厭わしく思ったでしょう。それなのに、この一月に命をかけて頼みにしているのが、はかないことです。
源氏物語 - 紫式部
馴れきとは思ひいづとも何により
立ちとまるべき真木の柱ぞ
なれ親しんできた者として思い出してくれるとしても、いったい何を頼りにこの家に立ちとどまることができましょうか、真木の柱よ。