- 表題
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- 源氏物語
源氏物語 - 紫式部
こころから春まつ苑はわがやどの
紅葉を風のつてにだに見よ
ご自分の好みで春を待っておられるそちらの苑では、今は所在ないでしょう。せめてわが宿の紅葉を、風のたよりにでも御覧ください。
源氏物語 - 紫式部
初瀬川はやくのことは知らねども
今日の逢ふ瀬に身さへながれぬ
初瀬川の流れが早いように、昔のことは何も知らないけれど、今日のこの逢瀬のうれしさに、涙とともにこの身までも流れてしまいそうだ。
源氏物語 - 紫式部
知らずとも尋ねてしらむ三島江に
生ふる三稜のすぢは絶えじを
あなたが知らなくても、尋ねればわかるでしょう。三島江に生える三稜の筋が絶えないように、私たちの縁もまた絶えることはないのですから。
源氏物語 - 紫式部
数ならぬみくりやなにのすぢなれば
うきにしもかく根をとどめけむ
人の数にも入らないわが身は、いったい何の筋があって、三稜が泥に根を下ろすように、このつらい世に生まれつき、とどまってきたのだろうか。