- 表題
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- 源氏物語
源氏物語 - 紫式部
かけきやは川瀬の浪もたちかへり
君がみそぎのふぢのやつれを
思ってもみただろうか。賀茂川の川瀬の浪が立ち返るように、また御禊の日がめぐってきて、あなたが藤衣に身をやつしたまま、除服の禊をなさろうとは。
源氏物語 - 紫式部
ふぢごろも着しはきのふと思ふまに
けふはみそぎの瀬にかはる世を
藤衣を着たのは昨日のことと思っているうちに、今日はもう除服の禊をする時期に変わってしまった。淵が瀬になるという、移り変わりの激しい世であることよ。
源氏物語 - 紫式部
をとめごも神さびぬらし天つ袖
ふるき世の友よはひ経ぬれば
かつての舞姫であるあなたも、今は神々しく年を重ねてしまわれたらしい。天つ袖を振って舞ったころからの古い友である私も、こうして年をとってしまったのだから。
源氏物語 - 紫式部
かけていへば今日のこととぞ思ほゆる
日かげの霜の袖にとけしも
五節のことに託しておっしゃるなら、まるで今日のことのように思い出される。日の光に霜が解けるように、日蔭のかづらをかけた私が、あなたに心を許したあの昔のことも。