- 表題
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- 源氏物語
源氏物語 - 紫式部
あふさかの関やいかなる関なれば
しげきなげきの中をわくらん
逢坂の関とはいったいどのような関でございますから、木の茂った中を分け入るように、これほど深い嘆きの中を分けて参らねばならないのでしょう。
源氏物語 - 紫式部
別るとてはるかにいひしひとことも
かへりてものは今ぞかなしき
都を離れて伊勢へ下る時、都の方へお戻りになるなと、はるかに隔てておっしゃったあのお言葉も、帰京した今となってはかえって悲しく思われます。
源氏物語 - 紫式部
伊勢の海のふかきこころをたどらずて
ふりにし跡と波や消つべき
伊勢物語の海のように深い情趣をたどりもせずに、古びた昔語りだからといって、波が砂の足跡を消すように、なきものにしてよいものでしょうか。