- 表題
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- 源氏物語
源氏物語 - 紫式部
数ならでなにはのこともかひなきに
などみをつくし思ひそめけむ
物の数にも入らぬ身で、何ごとにつけても甲斐のないことですのに、どうして身を尽くしてお慕い申し上げるようになったのでしょう。
源氏物語 - 紫式部
消えがてにふるぞ悲しきかきくらし
わが身それとも思ほえぬ世に
消えることもできずに降り続く霙のように、生き永らえておりますのが悲しゅうございます。目の前も暗くなり、わが身がわが身とも思われないこの世に。
源氏物語 - 紫式部
玉かづら絶えてもやまじ行く道の
たむけの神もかけてちかはむ
玉かづらが絶えましても、お慕いする気持ちがやむことはございません。これから行く道の手向けの神にかけてもお誓い申し上げます。
源氏物語 - 紫式部
わくらばに行きあふみちをたのみしも
なほかひなしやしほならぬ海
たまたま行き会った近江路の道を頼みに思ったが、やはり甲斐のないことであった。塩のないこの海には貝もいないのだから。