古典和歌stream

金槐和歌集 - 源実朝

久方の天の川原に住む鶴も
心にあらぬ音をや鳴くらむ

天の川の河原に住む鶴も、心ならずも声をあげて鳴いているのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

わが恋は天の原飛ぶ葦鶴の
雲居にのみや鳴き渡りなむ

私の恋は、大空を飛ぶ鶴のように、手の届かない遠い所でばかり泣き続けることになるのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

今さらにわが名は立たじ瓦屋の
下焚く煙くゆりわぶとも

今さら私の浮き名は立つまい。瓦を焼く小屋の下で焚く煙がくすぶるように、心の中で思い悩もうとも。

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金槐和歌集 - 源実朝

藻塩焼く海人の焚く火のほのかにも
わが思ふ人を見るよしもがな

藻塩を焼く海人の焚く火がほのかに見えるように、ほんの少しでも私の思う人を見る手立てがあればよいのに。

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金槐和歌集 - 源実朝

わが恋は初山藍の摺り衣
人こそ知らね乱れてぞ思ふ

私の恋は、初山の山藍で摺り染めた衣の乱れ模様のように、人は知らないけれども、心乱れて思っている。

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金槐和歌集 - 源実朝

あしひきの山に住むてふ山賤の
心も知らぬ恋もするかな

山に住むという山がつの心がわからないように、相手の心もわからない恋をすることだなあ。

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金槐和歌集 - 源実朝

奥山のたつきも知らぬ君により
わが心から迷ふべらなり

奥山で手がかりもなくさまようように、どうしてよいかもわからないあなたのために、私は自分の心からさまよっているようだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

奥山の末のたつきもいざ知らず
妹に逢はずて年の経ゆけば

奥山の奥へ分け入る手がかりもわからないように、この先どうなるかもわからない。いとしい人に逢わないまま年が過ぎてゆくので。

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金槐和歌集 - 源実朝

白真弓磯辺の山の松の色の
常磐に物を思ふころかな

磯辺の山の松の色がいつも変わらないように、変わることなく物思いをしているこのごろだなあ。

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金槐和歌集 - 源実朝

葦鴨の騒ぐ入江の浮草の
うきてや物を思ひ渡らむ

葦辺の鴨が騒ぐ入江の浮草のように、憂いに浮かれ漂いながら、物思いをし続けるのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

沖つ鳥鵜の住む石に寄る波の
間なくも思ふ我ぞ悲しき

沖の鳥である鵜が住む岩に寄せる波のように、絶え間なく思い続ける私が悲しいことだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

鴎ゐる荒磯の洲崎潮満ちて
隠ろひ行けばまさる我が恋

かもめのいる荒磯の洲崎が、潮が満ちて隠れてゆくように、あの人が見えなくなってゆくと、ますますつのる私の恋だ。

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金槐和歌集 - 源実朝

風吹けば波打つ岸の岩なれや
かたくもあるか人の心の

風が吹くと波が打ちつける岸の岩なのだろうか。なんとかたくなであることか、あの人の心は。

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金槐和歌集 - 源実朝

浮き沈み果ては泡とぞなりぬべき
瀬々の岩波身も砕きつつ

浮いたり沈んだりして、果てには泡となってしまうに違いない。瀬ごとの岩に砕ける波のように、身も砕きながら。

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金槐和歌集 - 源実朝

山川の瀬々の岩波湧き返り
おのれ一人や身を砕くらむ

山川の瀬ごとの岩に砕ける波が湧き返るように、私ひとりが身を砕いているのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

岩走る山下たぎつ山川の
心砕けて恋や渡らむ

岩の上をほとばしり、山の麓を激しく流れる山川のように、心が砕けて恋い続けるのだろうか。

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