古典和歌stream

金槐和歌集 - 源実朝

葛城や雲をこだかみ雪白し
あはれと思ふ年の暮れかな

葛城山は雲よりも高いので、雪が白く見える。しみじみと感じ入る、年の暮れであることよ。

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金槐和歌集 - 源実朝

老いらくの頭の雪をとどめ置きて
はかなの年や暮れてゆくらむ

年老いたわたしの頭に、雪のような白髪を残しておいて、はかない年は暮れていくのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

はかなくて今夜明けなば行く年の
思ひ出もなき春にや逢はなむ

はかなく過ぎて今夜が明けたならば、去っていく年の思い出もないまま、春に出会うことになるのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

ぬば玉のこの夜な明けそしばしばも
まだふる年のうちぞ思はむ

この夜よ、明けないでくれ。しばらくの間でも、まだ去りゆく年のうちだと思っていよう。

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金槐和歌集 - 源実朝

乳房吸うまだいとけなき緑子の
共に泣きぬる年の暮れかな

乳房を吸うまだ幼い乳飲み子までもが、ともに泣いている年の暮れであることよ。

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金槐和歌集 - 源実朝

行く年の行方を問へば世の中の
人こそ一つ設くべらなれ

去っていく年の行方を尋ねてみると、世の中の人が、それぞれ一つずつ年を受け取っているようだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

春深み峰の嵐に散る花の
定めなき夜に恋妻ぞする

春が深まったので、峰の嵐に散る花のように定めのない夜に、恋しい人を思い慕っていることだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

思ひのみ深きみ山の郭公
人こそ知らね音をのみぞ鳴く

物思いばかりが深い、その深い山のほととぎすのように、人は知らないけれども、私は声をあげて泣いてばかりいる。

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金槐和歌集 - 源実朝

小鹿伏す夏野の草の露よりも
知らじなしげき思ひありとは

牡鹿が伏す夏野の草に置く露よりも、もっと深くしげく思う心が私にあるとは、あの人は知らないだろうなあ。

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金槐和歌集 - 源実朝

わが恋はみ山の松に這ふ葛の
しげきを人の問はずぞありける

私の恋は、深い山の松にはいまつわる葛のようにしげく思っているのに、そのことをあの人は尋ねてもくれないことだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

山繁み木の下隠れ行く水の
音聞きしより我や忘るる

山が茂っているので木の下に隠れて流れてゆく水の音のように、あの人のうわさを聞いてから、私は忘れることがあろうか、いや忘れはしない。

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金槐和歌集 - 源実朝

夏深き森の空蟬おのれのみ
むなしき恋に身を砕くらむ

夏の深い森の蝉の抜け殻のように、私だけがむなしい恋に身を砕いているのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

我が宿の籬のはたてに這ふ瓜の
なりもならずも二人寝なまし

私の家の垣根の端にはいまつわる瓜が実るように、恋がかなってもかなわなくても、二人で寝てしまいたいものだ。

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金槐和歌集 - 源実朝

木隠れて物を思へば空蟬の
羽に置く露の消えや返らむ

木陰に隠れて物思いをしていると、蝉の羽に置く露のように、私は消え入ってしまうのではないだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

鵲の羽に置く露の丸木橋
踏み見ぬ先に消えや渡らむ

かささぎの羽に置く露のような丸木橋を、踏み渡ってみないうちに、私は消えていってしまうのだろうか。

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金槐和歌集 - 源実朝

さ夜更けて雁の翼に置く霜の
消えても物は思ふかぎりを

夜が更けて雁の翼に置く霜のように、たとえ消えてしまっても、思いはどこまでも尽きることがないのに。

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