- 表題
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- 金葉和歌集
金葉和歌集 - よみ人しらず
笠取の山に世をふる身にしあれば
すみやきもをるわが心かな
笠取山に住んで世を過ごしている身であるので、炭を焼きもし、木を折りもするように、胸を焦がし、心を折る私の心であることよ。
金葉和歌集 - よみ人しらず
あふこなきものと知る知る何にかは
なげきをやまとこりはつむらむ
担う天秤棒もないように、逢う機会もないものと知りながら、いったい何のために、嘆きの投げ木を山のように樵って積み重ねるのだろうか。
金葉和歌集 - よみ人しらず
はかるめることのよきのみ多かれば
そらなげきをばこるにやあるらむ
人をだますような言葉の巧みさばかりが多いので、斧で投げ木を樵るように、偽りの嘆きをこしらえているのではなかろうか。
金葉和歌集 - よみ人しらず
逢ふことの今はかたみの目をあらみ
漏りて流れむ名こそ惜しけれ
逢うことが今は難しくなり、目の粗い竹籠から水が漏れるように、二人の仲が漏れて世に流れていく評判こそが惜しまれる。
金葉和歌集 - よみ人しらず
逢ふことはかたねぶりなる磯ひたひ
ひねり臥すともかひやなからむ
逢うことは難しく、ひとり寝の浅い眠りをするばかりで、磯の際で身をよじって伏し悶えても、貝が拾えないように、その甲斐もないのだろう。
金葉和歌集 - よみ人しらず
逢ふことのかたのに今はなりぬれば
思ふかりのみ行くにやあるらむ
逢うことが難しい、交野ではないが、今はそうなってしまったので、交野へ狩りに行くように、思いばかりがあの人のもとへ通っていくのであろうか。
金葉和歌集 - よみ人しらず
逢ふことはながめふる屋の板びさし
さすがにかけて年の経ぬらむ
逢うことはないまま、長雨の降る古い家の板廂の下で物思いにふけっているが、それでもやはり心にかけたまま、年が過ぎてしまったのだろう。
数ならぬ身をうぢ川のはしばしと
言はれながらも恋ひわたるかな
物の数にも入らないわが身をつらく思い、宇治川の橋の端々のように取るに足りない者と言われながらも、橋を渡るように恋い続けていることだ。
金葉和歌集 - 藤原公実
逢ふことは舟人弱み漕ぐ舟の
みをさかのぼる心地こそすれ
逢うことは、漕ぎ手の力が弱くて進まない舟で澪をさかのぼるように、わが身を流れに逆らわせるような、ままならない心地がする。
心からつきなき恋をせざりせば
逢はでやみにはまどはざらまし
自分の心から、手がかりのない、月のない闇のような恋をしなかったならば、逢えずに終わるという闇に迷うこともなかっただろうに。