古典和歌stream

金葉和歌集

うらむともみるめもあらじものゆゑに
何かはあまの袖濡らすらむ

浦を見て恨んだところで、海松布もないように、逢う機会もないのだから、どうして海人のように袖を濡らすことがあろうか。

詳細を見る

金葉和歌集 - 藤原顕季

恋しさを妹知るらめや旅寝して
山の雫に袖濡らすとは

この恋しさを、いとしい人は知っているだろうか。旅先で寝て、山の雫に袖を濡らしているとは。

詳細を見る

金葉和歌集 - 祐子内親王家紀伊

恨むなよ影見えがたき夕月夜
おぼろけならぬ雲間待つ身ぞ

恨まないでほしい。光の見えにくい夕月夜の月のように、私はなみなみでない雲の切れ間を待っている身なのだから。

詳細を見る

金葉和歌集

三日月のおぼろけならぬ恋しさに
われてぞ出づる雲の上より

三日月が雲を割って出てくるように、並々でない恋しさのために、無理を押して出てきたのだ。雲の上の宮中から。

詳細を見る

金葉和歌集

逢はぬ間はまどろむことのあらばこそ
夢にも見きと人に語らめ

逢えない間は、まどろむことでもあるならば、夢にでも逢ったと人に語りもしようが、恋しさに眠ることさえできないのだ。

詳細を見る

金葉和歌集

人知れずなき名はたてど唐衣
重ねぬ袖はなほぞ露けき

知らぬ間に、ありもしない浮名は立ってしまったが、唐衣の袖を重ねて共寝したわけでもないこの袖は、やはり涙に濡れていることだ。

詳細を見る

金葉和歌集

あぢきなく過ぐる月日ぞ恨めしき
逢ひ見しほどを隔つと思へば

むなしく過ぎてゆく月日が恨めしい。あの人と逢った時を、しだいに遠く隔ててゆくと思うと。

詳細を見る

金葉和歌集

つらしとも思はむ人は思ひなむ
我なればこそ身をば恨むれ

薄情だと思うような人は、きっとそう思うだろう。私だからこそ、相手ではなくわが身を恨んでいるのだ。

詳細を見る

金葉和歌集 - よみ人しらず

五月雨の空頼めのみ隙なくて
忘らるる名ぞ世にふりにける

五月雨の空のように、あてにならない約束ばかりが絶え間なく続いて、忘れられた女という評判ばかりが、雨が降るように世間に広まり、古びてしまったことだ。

詳細を見る

金葉和歌集

忘られむ名は世にふらじ五月雨も
いかでかしばしをやまざるべき

忘れられるという評判は世に広まりはしないだろう。五月雨も、どうして少しの間でも小止みにならないことがあろうか。

詳細を見る

金葉和歌集 - よみ人しらず

天雲のかへしの風の音せぬは
思はれじとの心なるべし

空の雲を吹き返す風の音がしないように、返事の便りもないのは、思いを寄せられまいとする心なのであろう。

詳細を見る

金葉和歌集 - よみ人しらず

あしひきの山のまにまに倒れたる
からきはひとり臥せるなりけり

山のあちこちに倒れている枯れ木は、ひとりで横たわっているのだった。つらいことに、私もひとりで寝ているのだ。

詳細を見る

金葉和歌集 - よみ人しらず

み熊野に駒のつまづく青つづら
君こそ我がほだしなりけれ

熊野の山道で馬がつまずく青つづらのように、あなたこそが私をつなぎとめる絆なのであった。

詳細を見る

金葉和歌集 - よみ人しらず

こりつむるなげきをいかにせよとてか
君にあふこのひとすぢもなし

切り集めて積み重ねた投げ木のような嘆きを、どうせよというのか。それを担う天秤棒が一本もないように、あなたに逢う機会が一度もない。

詳細を見る

金葉和歌集 - よみ人しらず

津の国のまろやは人をあくたがは
君こそつらきせぜは見えしか

摂津の国の丸屋に住む私が、どうして人に飽きたりしようか。芥川の瀬々のように、つらい仕打ちが見えたのは、あなたのほうこそだったのに。

詳細を見る

金葉和歌集 - よみ人しらず

あふみてふ名はたかしまと聞こゆれど
いづらはここにくるもとの里

逢う身に通じる近江という名は、高島のように高く聞こえているけれども、どこにあるのだろうか、あなたがここに来るという、くるもとの里は。

詳細を見る