- 表題
- -
- 金葉和歌集
金葉和歌集 - 祐子内親王家紀伊
音に聞くたかしの浜のあだ波は
かけじや袖の濡れもこそすれ
噂に名高い高師の浜のいたずらに立つ波は、袖にかけますまい。袖が濡れでもしたら困りますから。浮気者と評判のあなたの言葉は心にかけますまい、後で涙に袖を濡らすことになっては困りますから。
金葉和歌集 - 源兼昌
今日こそはいはせの森の下紅葉
色に出づれば散りもしぬらめ
今日こそは思いを口に出してしまった。岩瀬の森の下紅葉が色づけば散るように、思いが色に出た以上、浮名も散り広がってしまうことだろう。
金葉和歌集 - よみ人しらず
人はいさありとやすらむ忘られて
問はれぬ身こそなき心地すれ
あの人はさあ、私がまだこの世にいると思っているのだろうか。忘れられて訪ねてもらえないこの身は、もうこの世にない心地がするのに。
金葉和歌集 - よみ人しらず
君こそは一夜めぐりの神と聞け
何逢ふことの方違ふらむ
あなたこそは、一晩で方々をめぐる神だと聞いている。それなのに、どうして私と逢うことには、方違えをするように避けるのだろうか。