古典和歌stream

山家集 - 西行

寂しさに堪へたる人のまたもあれな
庵並べん冬の山里

寂しさに耐えている人が、私のほかにもう一人いてくれればよいのに。その人と庵を並べて住もう、この冬の山里に。

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山家集 - 西行

霜にあひて色改むる葦の穂の
寂しく見ゆる難波江の浦

霜にあって色を変えた葦の穂が、寂しく見える難波江の浦であることよ。

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山家集 - 西行

玉巻きし垣根の真葛霜枯れて
寂しく見ゆる冬の山里

葉を玉のように巻いて茂っていた垣根の葛が霜に枯れて、寂しく見える冬の山里である。

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山家集 - 西行

旅寝する草の枕に霜冴えて
有明の月の影ぞ待たるる

旅寝をしている草の枕に霜が冷たく置いて、有明の月の光が出るのが待たれることだ。

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山家集 - 西行

冬枯れのすさまじげなる山里に
月のすむこそあはれなりけれ

冬枯れて寒々と殺風景な山里に、月が澄んだ光で住むように照っていることこそ、しみじみと心にしみることだ。

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山家集 - 西行

月出づる峰の木の葉も散り果てて
麓の里はうれしかるらん

月が出る峰の木の葉もすっかり散ってしまって、麓の里ではうれしく思っていることだろう。

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山家集 - 西行

花に置く露に宿りし影よりも
枯れ野の月はあはれなりけり

秋の花に置いた露に宿っていた月の光よりも、枯れ野を照らす月のほうが、しみじみと心にしみることだ。

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山家集 - 西行

氷敷く沼の葦原風冴えて
月も光ぞ寂しかりける

氷が一面に張りつめた沼の葦原に風が冷たく吹いて、月もその光が寂しく感じられることだ。

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山家集 - 西行

霜冴ゆる庭の木の葉を踏み分けて
月は見るやと訪ふ人もがな

霜が冷たく凍る庭の木の葉を踏み分けて、「月を見ているか」と訪ねてくる人がいればよいのになあ。

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山家集 - 西行

さゆと見えて冬深くなる月影は
水なき庭に氷をぞ敷く

冷え冷えと冴えて見えて、冬が深まっていく月の光は、水もない庭に氷を敷きつめている。

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山家集 - 西行

合はせつる木居のはし鷹そばへかし
犬飼ひ人の声しきりなり

獲物に向けて放ったのに木にとまってしまったはし鷹よ、こちらのそばへ来いよ、と呼ぶ犬飼いの声がしきりに聞こえる。

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山家集 - 西行

かきくらす雪に雉は見えねども
羽音に鈴を加へてぞやる

空を暗くして降りしきる雪で雉の姿は見えないけれども、鷹の羽音に鈴の音を添えて放ってやる。

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山家集 - 西行

降る雪に鳥立ちも見えず埋もれて
とりどころなき御狩野の原

降る雪に、鳥の集まる場所も見えないほど埋もれてしまって、鳥のいる所も、とらえどころもない御狩野の原であることよ。

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山家集 - 西行

木の間漏る月の影とも見ゆるかな
はだらに降れる庭の白雪

木々の間から漏れる月の光とも見えることよ。まだらに降り積もった庭の白雪は。

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山家集 - 西行

立ちのぼる朝日の影のさすままに
都の雪は消えみ消えずみ

のぼってくる朝日の光が差すにつれて、都の雪は消えたり消えなかったりしている。

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山家集 - 西行

枯れ果つる萱が上葉に降る雪は
さらに尾花の心地こそすれ

すっかり枯れてしまった萱の上葉に降り積もる雪は、もう一度尾花が咲いたような心地がすることだ。

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