古典和歌stream

山家集 - 西行

たゆみつつ橇の早緒も付けなくに
積もりにけりな越の白雪

油断していて、そりの引き綱もまだ付けていないのに、もう積もってしまったことだなあ、越の国の白雪は。

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山家集 - 西行

降る雪に枝折りし柴も埋もれて
思はぬ山に冬籠りぬる

降る雪に、道しるべに折っておいた柴の枝も埋もれてしまって、思いもしなかった山で冬籠りすることになってしまった。

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山家集 - 西行

雪深く埋みてけりな君来やと
紅葉の錦敷きし山路を

雪が深く埋めてしまったことだなあ。あなたが来るかと、紅葉の錦を敷いて待っていた山道を。

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山家集 - 西行

我が宿に庭よりほかの道もがな
訪ひ来ん人の跡付けで見ん

私の家に、庭を通る道のほかに別の道があればよいのに。訪ねてくる人の足跡を付けないままで、庭の雪を見ていたいから。

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山家集 - 西行

人来ばと思ひて雪を見るほどに
しか跡付くることもありけり

人が来たならば雪が踏まれてしまうと思いながら雪を眺めているうちに、鹿がそのように足跡を付けることもあったのだなあ。

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山家集 - 西行

跡留むる駒の行方はさもあらばあれ
うれしく君にゆきにあひぬる

雪に足跡を残していく馬の行方は、どうなろうともかまわない。うれしいことに、雪の中を行く道であなたに会えたのだから。

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山家集 - 西行

雪埋む園の呉竹折れ伏して
ねぐら求むるむら雀かな

雪が埋めている庭の呉竹が折れ伏してしまって、ねぐらを探し求めている群れ雀であることよ。

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山家集 - 西行

裏返す小忌の衣と見ゆるかな
竹のうれ葉に降れる白雪

裏返した小忌の衣のように見えることよ。竹の葉先に降り積もった白雪は。

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山家集 - 西行

玉垣は朱も緑も埋もれて
雪おもしろき松の尾の山

神社の玉垣は、朱色も松の緑も雪に埋もれてしまって、雪景色が趣深い松の尾の山であることよ。

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山家集 - 西行

なにとなく暮るるしづりの音までも
雪あはれなる深草の里

なんということもなく、日の暮れていく中で枝から雪の落ちる音までも、雪がしみじみと心にしみる深草の里であることよ。

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山家集 - 西行

雪降れば野路も山路も埋もれて
をちこち知らぬ旅の空かな

雪が降ると、野の道も山の道も埋もれてしまって、遠くも近くもわからなくなる旅の空であることよ。

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山家集 - 西行

青根山苔の筵の上に敷く
雪は白嶺の心地こそすれ

青根山の、苔の筵の上に一面に降り敷いた雪は、まるで白嶺のような心地がすることだ。

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山家集 - 西行

卯の花の心地こそすれ山里の
垣根の柴を埋む白雪

卯の花が咲いたような心地がすることだ。山里の垣根の柴を埋めている白雪は。

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山家集 - 西行

折ならぬ巡りの垣の卯の花を
うれしく雪の咲かせつるかな

季節でもないのに、住まいの周りの垣根に卯の花を、うれしいことに雪が咲かせてくれたことよ。

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山家集 - 西行

訪へな君夕暮れになる庭の雪を
跡なきよりはあはれならまし

訪ねてきてほしい、あなた。夕暮れになっていく庭の雪も、足跡のないままよりは、あなたの足跡がついたほうがきっと趣深いだろう。

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山家集 - 西行

瀬戸渡る棚無し小舟心せよ
霰乱るるしまき横切る

瀬戸を渡っていく棚無し小舟よ、気をつけよ。霰が乱れ降る激しい風が横切って吹いていく。

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