古典和歌stream

山家集 - 西行

夜もすがらあらしの山に風冴えて
大井の淀に氷をぞ敷く

一晩じゅう嵐山に風が冷たく吹きつけて、大井川の淀みに氷を一面に張りつめている。

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山家集 - 西行

冴え渡る浦風いかに寒からん
千鳥群れゐるゆふさきの浦

一面に冷え込む浦風は、どれほど寒いことだろう。千鳥が群れ集まっている、ゆふさきの浦では。

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山家集 - 西行

山里は時雨れし頃の寂しさに
嵐の音はややまさりけり

山里では、時雨が降っていたころの寂しさに比べて、嵐の音の聞こえる今の寂しさのほうが、いくらかまさっていることだ。

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山家集 - 西行

風冴えて寄すればやがて凍りつつ
返る波なき志賀の唐崎

風が冷たく吹いて、波が打ち寄せるとすぐさま凍りついていき、寄せては返す波もない志賀の唐崎であることよ。

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山家集 - 西行

吉野山麓に降らぬ雪ならば
花かと見てや尋ね入らまし

吉野山の雪が、麓には降らない雪であったならば、花かと思って山の奥へ尋ね入っただろうに。

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山家集 - 西行

山ごとに寂しからじと励むべし
煙こめたり小野の山里

どの山でも、寂しくはあるまいと炭焼きに精を出しているにちがいない。煙が一面にたちこめている、小野の山里であることよ。

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山家集 - 西行

山桜思ひよそへてながむれば
木ごとの花は雪まさりけり

山桜になぞらえて眺めると、木ごとに咲いた花は、雪のほうがまさっていることだ。

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山家集 - 西行

降り埋む雪を友にて春来ては
日を送るべき深山辺の里

降り埋める雪を友として、春が来てからもなお日々を送ることになる、深山のほとりの里である。

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山家集 - 西行

訪ふ人は初雪をこそ分け来しか
道閉ぢてけり深山辺の里

訪ねてくる人は、初雪のころこそ雪を分けて来てくれたけれども、今はもう道が雪に閉ざされてしまった、深山のほとりの里よ。

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山家集 - 西行

年のうちは訪ふ人さらにあらじかし
雪も山路も深き住処を

年の内は、訪ねてくる人はまったくあるまいよ。雪も深く、山道も深い住まいなのだから。

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山家集 - 西行

わりなしや氷る筧の水ゆゑに
思ひ捨ててし春の待たるる

どうにもならないことだ。凍った筧の水のために、思い捨てたはずの春が、自然と待たれることよ。

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山家集 - 西行

常よりも心細くぞ思ほゆる
旅の空にて年の暮れぬる

いつもの年よりも心細く思われることだ。旅の空で年が暮れてしまったので。

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山家集 - 西行

新しき柴の編み戸を立て替へて
年のあくるを待ちわたるかな

新しい柴の編み戸に立て替えて、年が明けるのを、ずっと待ち続けていることよ。

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山家集 - 西行

年暮れてその営みは忘られて
あらぬさまなる急ぎをぞする

年が暮れて、かつての年の暮れの営みは忘れられて、それとはまったく違ったさまの支度をしていることだ。

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山家集 - 西行

おしなべて同じ月日の過ぎゆけば
都もかくや年は暮れぬる

どこでも一様に同じ月日が過ぎてゆくのだから、都でもこのように年は暮れてしまったのだろうか。

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山家集 - 西行

おのづから言はぬを慕ふ人やあると
やすらふほどに年の暮れぬる

もしかすると、私が便りをしないのを恋しく思ってくれる人がいるかと、ためらっているうちに年が暮れてしまった。

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