古典和歌stream

山家集 - 西行

逢ふ事のなくてやみぬるものならば
今見よ世にもありやはつると

逢うことのないまま終わってしまうものならば、今に見ていよ、私がこの世に生き長らえているかどうかを。

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山家集 - 西行

憂き身とて忍ばば恋の忍ばれて
人の名立てになりもこそすれ

つまらない身だからと恋を忍んでいると、かえって忍んでいる様子が人目につき、相手の浮名を立てることにもなりかねない。

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山家集 - 西行

みさをなる涙なりせば唐衣
かけても人に知られましやは

もし涙が平然と落ち着いたものであったならば、唐衣の袖に掛けても、少しも人に知られることがあっただろうか。

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山家集 - 西行

嘆きあまり筆のすさみに尽くせども
思ふばかりは書かれざりけり

嘆きのあまり、筆の慰みにすべて書き尽くそうとしても、思うほどには書くことができなかった。

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山家集 - 西行

我が嘆く心のうちの苦しさも
何にたとへて君に知られん

私が嘆く心の内の苦しさも、何にたとえてあなたに知ってもらえばよいのだろう。

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山家集 - 西行

今はただ忍ぶ心ぞつつまれぬ
嘆かば人や思ひ知るとて

今はもう、忍ぶ心も包み隠すことができない。嘆いてみせれば、あの人も思い知ってくれるかと思って。

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山家集 - 西行

心には深くしめども梅の花
折らぬ匂ひはかひなかりけり

心には深く思いを染め、我がものと占めていても、梅の花の、折り取らない香りは甲斐のないものであったよ。

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山家集 - 西行

さりとよとほのかに人を見つれども
覚えぬ夢の心地こそすれ

あれがあの人だとほのかに見はしたけれども、現実とも思えない夢のような心地がすることだ。

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山家集 - 西行

消えかへり暮れ待つ袖ぞしをれぬる
おきつる人は露ならねども

消え入るほどの思いで日暮れを待つ私の袖は、ぐっしょりと濡れてしおれてしまった。朝起きて帰っていった人は、露ではないけれども。

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山家集 - 西行

いかにせんその五月雨の名残より
やがて小止まぬ袖の雫を

どうしたらよいのだろう。あの五月雨の夜の名残から、そのまま少しもやまない袖の雫を。

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山家集 - 西行

さるほどの契りは君にありながら
ゆかぬ心の苦しきやなぞ

それほどの深い契りはあなたとの間にありながら、満ち足りない心がこうも苦しいのはなぜだろう。

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山家集 - 西行

今はさは覚えぬ夢になし果てて
人に語らでやみねとぞ思ふ

今はもう、それならば、あの逢瀬を現実とも思えない夢にしてしまって、人に語らずに終わってしまえと思う。

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山家集 - 西行

折る人の手にはとまらで梅の花
誰が移り香にならんとすらん

折る人の手にはとどまらないで、梅の花は、いったい誰の移り香になろうとしているのだろう。

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山家集 - 西行

うたた寝の夢を厭ひし床の上に
今朝いかばかり起き憂かるらん

うたた寝の夢さえ嫌って、恋しい人を待っていた床の上で、逢瀬の後の今朝は、どれほど起きるのがつらいことだろう。

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山家集 - 西行

ひきかへて嬉しかるらん心にも
憂かりしことは忘れざらなん

今までとはうって変わって嬉しいであろう心にも、つらかった頃のことは忘れないでいてほしい。

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山家集 - 西行

七夕は逢ふを嬉しと思ふらん
我は別れの憂き今宵かな

七夕の二星は逢うことを嬉しいと思っているだろう。私は別れのつらい今夜であることよ。

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