古典和歌stream

山家集 - 西行

幻の夢をうつつに見る人は
目も合はせでや世を明かすらん

幻のような夢を現実として見ている人は、まぶたも合わせずに夜を明かしているのだろうか。

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山家集 - 西行

その日より落つる涙を形見にて
思ひ忘るる時の間もなし

あの日から流れ落ちる涙を形見として、思い忘れるほんのわずかな時もない。

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山家集

目の前に変はり果てにし世の憂さに
涙を君に流しけるかな

目の前ですっかり変わり果ててしまった世のつらさに、あなたまで涙を流させてしまったことよ。

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山家集

松山の涙は海に深くなりて
蓮の池に入れよとぞ思ふ

松山で流す涙は、海のように深くなって、極楽の蓮の池に流れ入れてほしいと思う。

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山家集

波の立つ心の水をしづめつつ
咲かん蓮を今は待つかな

波の立つように騒ぐ心の水を静めながら、やがて咲くであろう蓮の花を、今は待つことよ。

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山家集 - 西行

山深み杖にすがりて入る人の
心の奥の恥づかしきかな

山が深いので、杖にすがって分け入ってゆく老人の、その心の奥の深さには頭が下がることよ。

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山家集 - 西行

花ならぬ言の葉なれどおのづから
色もやあると君拾はなん

花ではない言の葉ではあるけれども、もしかして自然と色つやもあるかと、あなたに拾い取ってほしい。

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山家集 - 藤原俊成

世を捨てて入りにし道の言の葉ぞ
あはれも深き色も見えける

世を捨てて入った仏道の人の言の葉であるからこそ、しみじみとした哀れも深く、色つやも見えることだ。

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山家集 - 西行

思ひあまり言ひ出でしこそ池水の
深き心のほどは知られめ

思いに堪えきれずに口に出して言ったからこそ、池の水のように深い私の心のほども、あなたに知られることだろう。

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山家集 - 西行

なき名こそ飾磨の市にたちにけれ
まだ逢ひ初めぬ恋するものを

根も葉もない噂ばかりが、飾磨の市が立つように立ってしまったことだ。まだ逢いはじめてもいない恋をしているのに。

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山家集 - 西行

包めども涙の色にあらはれて
忍ぶ思ひは袖よりも散る

包み隠しても、涙の色にあらわれて、忍ぶ思いは袖からもこぼれ散ってしまう。

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山家集 - 西行

わりなしや我も人目を包む間に
しひても言はぬ心尽くしは

どうにもならないことだ。私も人目をはばかっているうちに、強いて打ち明けもしないで思い悩むこの心づくしは。

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山家集 - 西行

なかなかに忍ぶけしきやしるからん
変はる思ひにならひなき身は

かえって忍んでいる様子がはっきりと見えてしまうだろうか。これまでと変わった恋の思いに慣れていない我が身には。

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山家集 - 西行

けしきをばあやめて人の咎むとも
うちまかせては言はじとぞ思ふ

私の様子を怪しんで人が問いただしても、すっかり成り行きにまかせて打ち明けたりはするまいと思う。

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山家集 - 西行

心には忍ぶと思ふかひもなく
しるきは恋の涙なりけり

心の中では忍んでいると思っている甲斐もなく、はっきりと表れてしまうのは、恋の涙であったよ。

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山家集 - 西行

色に出でていつより物は思ふぞと
問ふ人あらほいかが答へん

顔色に出して、いつから物思いをしているのかと尋ねる人がいたならば、どう答えたらよいだろう。

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