古典和歌stream

山家集 - 西行

同じくは咲き初めしより標置きて
人に折られぬ花と思はん

どうせなら、咲きはじめた時から標を張っておいて、他人に折られない花だと思うことにしよう。

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山家集 - 西行

朝露に濡れにし袖を干すほどに
やがて夕立つ我が袂かな

朝露に濡れた袖を干しているうちに、すぐにまた夕立が降るように、涙に濡れる我が袂であることよ。

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山家集 - 西行

待ちかねて夢に見ゆやとまどろめば
寝覚めすすむる荻の上風

待ちきれずに、夢にでも見えるかとまどろむと、目を覚ませとせき立てる荻の葉を吹く風であることよ。

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山家集 - 西行

包めども人知る恋や大井川
堰の隙を潜る白波

包み隠しても人に知られる恋なのだろうか。大井川の堰の隙間をくぐって漏れる白波のように。

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山家集 - 西行

逢ふまでの命もがなと思ひしに
悔しかりける我が心かな

せめて逢うまでの命があればよいと思っていたのに、逢った今となっては悔しいことであった我が心であることよ。

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山家集 - 西行

今よりは逢はで物をば思ふとも
後憂き人に身をばまかせじ

これからは、逢わずに物思いをすることになっても、後でつらい思いをさせる人に、身をまかせることはすまい。

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山家集 - 西行

いつかはと答へんことのねたきかな
思ひ知らずと恨み聞かせば

いつかはそうしたかと答えることがいまいましいことだ。私の思いを知らないと、恨み言を聞かせたならば。

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山家集 - 西行

袖の上の人目知られし折までは
みさをなりける我が涙かな

袖の上の涙が人目に知られてしまった時までは、取り乱さずに落ち着いていた我が涙であったことよ。

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山家集 - 西行

あやにくに人目も知らぬ涙かな
堪へぬ心に忍ぶかひなく

あいにくなことに、人目も構わずに流れる涙であることよ。こらえきれない心で忍んでいる甲斐もなく。

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山家集 - 西行

荻の音は物思ふ我か何なれば
こぼるる露の袖に置くらん

荻の葉音は、物思いをしている私なのだろうか。どういうわけで、荻からこぼれる露が私の袖に置くのだろう。

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山家集 - 西行

草しげみ沢にぬはれて伏す鴫の
いかによそだつ人の心ぞ

草が茂っているので、沢に縫いとめられたように伏している鴫が飛び立つように、どうしてよそよそしく離れてゆく人の心なのだろう。

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山家集 - 西行

あはれとて人の心の情けあれな
数ならぬにはよらぬ嘆きを

かわいそうにと、あの人の心に情けがあってほしい。取るに足りない身だからというわけではないこの嘆きを。

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山家集 - 西行

いかにせん憂き名をば世に立て果てて
思ひも知らぬ人の心を

どうしたらよいのだろう。つらい浮名をすっかり世間に立ててしまって、それでも私の思いを知らないあの人の心を。

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山家集 - 西行

忘られんことをばかねて思ひにき
何驚かす涙なるらん

忘れられるであろうことは、前々から覚悟していた。それなのに、どうして今さら私を驚かすように流れる涙なのだろう。

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山家集 - 西行

訪はれぬも訪はぬ心のつれなさも
憂きは変はらぬ心地こそすれ

あの人に訪ねてもらえないことも、自分から訪ねない心の冷たさも、つらさは変わらない気持ちがすることだ。

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山家集 - 西行

つらからん人ゆゑ身をば恨みじと
思ひしことも叶はざりけり

冷たいであろう人のために、自分の身を恨むまいと思っていたことさえ、かなわなかったことだ。

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