古典和歌stream

山家集 - 西行

言問へばもて離れたるけしきかな
うららかなれや人の心の

話しかけると、よそよそしく離れた様子であることよ。のどかで平然としているのか、あの人の心は。

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山家集 - 西行

物思ふ袖に嘆きの丈見えて
忍ぶ知らぬは涙なりけり

物思いをする袖に、嘆きの深さのほどが見えて、忍ぶということを知らないのは涙であったよ。

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山家集 - 西行

草の葉にあらぬ袂も物思へば
袖に露置く秋の夕暮

草の葉ではない袂でも、物思いをすると、袖に露が置く、秋の夕暮れであることよ。

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山家集 - 西行

逢ふ事のなき病にて恋ひ死なば
さすがに人やあはれと思はん

逢うことのできない恋の病で恋い死にしたならば、さすがにあの人も哀れと思うだろうか。

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山家集 - 西行

いかにぞや言ひやりたりし方もなく
物を思ひて過ぐる頃かな

どうしたことか。思いを言い送ったその甲斐もなく、物思いをしながら過ぎてゆくこの頃であることよ。

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山家集 - 西行

我ばかり物思ふ人や又もあると
唐土までも尋ねてしかな

私ほどに物思いをする人が、ほかにもいるかと、唐土までも尋ねて行きたいものだ。

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山家集 - 西行

君に我いかばかりなる契りありて
二なく物を思ひ初めけん

あなたに対して、私はどれほど深い前世からの因縁があって、二つとないほど物思いをしはじめたのだろう。

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山家集 - 西行

さらぬだにもとの思ひの絶えぬ身に
嘆きを人の添ふるなりけり

そうでなくても、もとからの物思いが絶えない身に、さらに嘆きをあの人が添えるのであったよ。

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山家集 - 西行

我のみぞ我が心をばいとほしむ
あはれぶ人のなきにつけても

私だけが、私の心をいとおしむことだ。哀れんでくれる人がいないにつけても。

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山家集 - 西行

恨みじと思ふ我さへつらきかな
訪はで過ぎぬる心強さを

恨むまいと思っている私でさえ、つらいことよ。訪ねてこないまま過ぎてしまうあの人の心の強さを。

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山家集 - 西行

いつとなきおもひは富士の煙にて
うち伏す床やうき島が原

いつと限りない恋の思いの火は、富士の煙のように絶えず燃え立ち、伏して寝る床は、涙に浮かぶ浮島が原なのだろうか。

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山家集 - 西行

これもみな昔のことと言ひながら
など物思ふ契りなりけん

これもすべて前世の因縁だとは言いながら、どうして物思いをするような契りだったのだろう。

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山家集 - 西行

などか我つらき人ゆゑ物を思ふ
契りをしもは結びおきけん

どうして私は、冷たい人のために物思いをするような契りを、よりによって結んでおいたのだろう。

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山家集 - 西行

紅にあらふ袂の濃き色は
焦がれて物を思ふなりけり

紅の涙で洗う袂の濃い色は、恋い焦がれて物思いをしているからであったよ。

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山家集 - 西行

堰きかねてさはとて流す滝つ瀬に
湧く白玉は涙なりけり

せき止めきれずに、それならばと流してしまう急流に湧き立つ白玉は、私の涙であったよ。

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山家集 - 西行

嘆かじと包みし頃の涙だに
うちまかせたる心地やはせし

嘆くまいと包み隠していた頃の涙でさえ、思うにまかせて流れる心地がしただろうか、いやしなかった。

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