古典和歌stream

山家集 - 西行

今は我恋せん人を訪ふらはん
世に憂きことと思ひ知られぬ

今となっては、私は恋をする人を慰め見舞ってやろう。恋とはこの世でつらいことだと、身にしみて思い知られたから。

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山家集 - 西行

眺めこそ憂き身の癖になり果てて
夕暮ならぬ折もせらるれ

物思いにふけって眺めることが、つらい我が身の癖になりきってしまって、夕暮れでない時にも、ついしてしまう。

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山家集 - 西行

思へども思ふかひこそなかりけれ
思ひも知らぬ人を思へば

思っても、思う甲斐がまるでないことだ。私の思いも知らない人を思っているので。

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山家集 - 西行

綾ひねるささめの小蓑衣に着ん
涙の雨もしのぎがてらに

綾にひねり編んだささめの小蓑を衣として着よう。涙の雨をしのぐのを兼ねて。

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山家集 - 西行

なぞもかく事新しく人の問ふ
我物思ふふりにしものを

どうしてこのように、今さら事新しく人が尋ねるのだろう。私が物思いをするのは、もう古いことなのに。

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山家集 - 西行

死なばやと何思ふらん後の世も
恋は世に憂きこととこそ聞け

死んでしまいたいなどと、どうして思うのだろう。来世でも、恋は本当につらいものだと聞いているのに。

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山家集 - 西行

わりなしやいつを思ひの果てにして
月日を送る我が身なるらん

どうにもならないことだ。いつを物思いの終わりとして、月日を送っている我が身なのだろう。

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山家集 - 西行

いとほしやさらに心の幼びて
魂切れらるる恋もするかな

かわいそうなことよ。今さらに心が幼くなって、魂も消え入るような恋をすることよ。

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山家集 - 西行

君慕ふ心のうちは稚児めきて
涙もろくもなる我が身かな

あなたを慕う心の内は子どものようになって、涙もろくもなってしまう我が身であることよ。

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山家集 - 西行

なつかしき君が心の色をいかで
露も散らさで袖に包まん

慕わしいあなたの心の色を、どうにかして露ほども散らさずに、袖に包んでおきたい。

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山家集 - 西行

いくほどもながらふまじき世の中に
物を思はでふるよしもがな

いくらも生き長らえることのできないこの世の中で、物思いをせずに過ごせるすべがあればよいのに。

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山家集 - 西行

いつか我塵積む床を払ひあけて
来んと頼めん人を待つべき

いつになったら私は、塵の積もった床を払い清めて、来ようと約束してくれる人を待つことができるのだろう。

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山家集 - 西行

よたけたつ袖にたたへて忍ぶかな
袂の滝に落つる浪を

丈も高く波立つ袖にいっぱいにたたえて、人目を忍ぶことよ。袂の滝に落ちる波を。

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山家集 - 西行

憂きによりつひに朽ちぬる我が袖を
心尽くしに何忍びけん

恋のつらさのために、とうとう涙で朽ちてしまった我が袖なのに、どうしてあれほど心を尽くして忍んできたのだろう。

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山家集 - 西行

心から心に物を思はせて
身を苦しむる我が身なりけり

自分の心から、自分の心に物思いをさせて、我が身を苦しめている我が身であったよ。

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山家集 - 西行

ひとりきて我が身にまとふ唐衣
しほしほとこそ泣き濡らさるれ

一人で着て我が身にまとう唐衣は、しおしおと泣き濡らされてしまうことだ。

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