古典和歌stream

山家集 - 西行

いかさまに思ひ続けて恨みまし
ひとへにつらき君ならなくに

どのように思い続けて恨んだらよいのだろう。ひたすら冷たいだけのあなたではないのに。

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山家集 - 西行

恨みても慰めてまし中々に
つらくて人の逢はぬと思へば

恨んでも、かえって心を慰めていよう。冷たいからあの人が逢わないのだと思えば。

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山家集 - 西行

うち絶えて君に逢ふ人いかなれや
我が身も同じ世にこそは経れ

ほかとの縁を絶ってあなたに逢う人は、いったいどういう人なのだろう。私も同じこの世に生きているのに。

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山家集 - 西行

とにかくに厭はまほしき世なれども
君がすむにも引かれぬるかな

何かにつけて捨て去りたいこの世ではあるけれど、あなたが住んでいることにも心が引かれてしまうことよ。

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山家集 - 西行

何事につけてか世をば厭はまし
憂かりし人ぞ今日は嬉しき

何事にかこつけて、この世を厭えばよいのだろう。つれなかったあの人が、今日は嬉しく思われるのだから。

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山家集 - 西行

逢ふと見しその夜のりのさめてあれな
長き眠りは憂かるべけれど

逢ったと見たその夜の夢が、覚めないでいてほしい。長い眠り、すなわち死はつらいものであろうけれども。

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山家集 - 院少納言局

巻ごとに玉の声せし玉章の
たぐひはまたもありけるものを

一巻ごとに玉を転がすような美しい声の響いた手紙、その類いは、またとこの世にもあったのですね。

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山家集 - 西行

よしさらば光なくとも玉と言ひて
言葉の塵は君磨かなん

ええ、それならば、光はなくとも玉だと言ってくださったのだから、言葉についた塵は、あなたが磨いてほしい。

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山家集 - 西行

松山の波に流れて来し舟の
やがてむなしくなりにけるかな

松山の波に流されてやって来た舟が、そのまま空しくなってしまったように、院はそのままお亡くなりになってしまったことよ。

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山家集 - 西行

松山の波のけしきは変はらじを
形なく君はなりましにけり

松山の波の様子は昔と変わらないだろうに、院は跡形もなくおなりになってしまったことよ。

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山家集 - 西行

よしや君昔の玉の床とても
かからん後は何にかはせん

ええ、わが君よ、たとえ昔の玉座であったとしても、このようになってしまった後では、何になりましょうか。

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山家集 - 西行

曇りなき山にて海の月見れば
島ぞ氷の絶え間なりける

曇りのない山の上から、海に照る月を見ると、島々こそが、氷の張りつめたような海面の切れ目であったよ。

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山家集 - 西行

今よりは厭はじ命あればこそ
かかる住まひのあはれをも知れ

これからは命を厭うまい。命があればこそ、このような住まいのしみじみとした趣も知ることができるのだから。

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山家集 - 西行

久に経て我が後の世を訪へよ松
跡偲ぶべき人もなき身ぞ

長い年月を経て、私の死後を弔ってくれ、松よ。跡を偲んでくれるはずの人もいない身なのだから。

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山家集 - 西行

ここをまた我住み憂くて浮かれなば
松はひとりにならんとすらん

ここをまた私が住みにくく思ってさまよい出てしまったならば、松はひとりぼっちになってしまうのだろう。

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山家集 - 西行

松の下は雪降る折の色なれや
皆白妙に見ゆる山路に

松の下だけは、雪の降る折にも変わらぬ緑の色なのだろうか。山路はどこも真っ白に見えるのに。

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