古典和歌stream

山家集 - 西行

雪積みて木も分かず咲く花なれや
常磐の松も見えねなりけり

雪が積もって、木の種類も区別せずに咲く花なのだろうか。常緑の松さえも見えなくなってしまった。

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山家集 - 西行

花と見る梢の雪に月冴えて
たとへん方もなき心地する

花と見える梢の雪に、月の光が冴え冴えと照らして、たとえようもない心地がする。

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山家集 - 西行

まがふ色は梅とのみ見て過ぎ行くに
雪の花には香ぞなかりける

見まがう白い色を梅の花だとばかり見て通り過ぎてゆくと、雪の花には香りがなかったよ。

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山家集 - 西行

折しもあれ嬉しく雪の埋むかな
かきこもりなんと思ふ山路を

ちょうどよい折に、嬉しくも雪が埋めてくれることよ。すっかり籠もってしまおうと思っている山路を。

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山家集 - 西行

中々に谷の細道埋め雪
ありとて人の通ふべきかは

いっそのこと、谷の細道を埋めてしまえ、雪よ。道があるからといって、人が通ってくるはずもないのだから。

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山家集 - 西行

谷の庵に玉の簾をかけましや
すがるたるひの軒を閉ぢずは

谷の庵に、玉の簾を掛けることなどあっただろうか。もし、垂れ下がるつららが軒を閉ざさなかったならば。

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山家集 - 西行

樒置く閼伽の折敷の縁なくは
何に霰の玉と散らまし

樒を置く閼伽の折敷に縁がなかったならば、霰はいったい何に玉として散り留まっただろうか。

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山家集 - 西行

岩にせく閼伽井の水のわりなきに
心澄めとも宿る月かな

岩にせき止められた閼伽井の水がわずかで心もとないのに、心を澄ませよとばかりに宿っている月であることよ。

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山家集 - 西行

あはれなり同じ野山に立てる木の
かかるしるしの契りありける

しみじみと心を打たれることだ。同じ野山に立っている木なのに、このように大師の誕生のしるしとなる縁があったとは。

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山家集 - 西行

巡り逢はんことの契りぞありがたき
厳しき山の誓ひ見るにも

いつか大師にめぐり逢うであろう縁こそ、まことに得がたくありがたい。険しい山に残る大師の誓いの跡を見るにつけても。

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山家集 - 西行

筆の山にかき登りても見つるかな
苔の下なる岩のけしきを

筆の山によじ登って、見たことであるよ。苔の下にある岩の様子を。

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山家集 - 西行

立て初むる網捕る浦の初竿は
罪の中にもすぐれたるかな

最初に立て始める、網を捕る浦の初竿は、殺生の罪の中でもとりわけ重いものであることよ。

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山家集 - 西行

下り立ちて浦田に拾ふ海人の子は
つみよりつみを習ふなりけり

浜に下り立って浦の田で拾い物をする漁師の子は、つみという貝を拾うことから、殺生の罪を習うのであったよ。

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山家集 - 西行

真鍋より塩飽へ通ふ商人は
つみをかひにて渡るなりけり

真鍋島から塩飽島へ通う商人は、積み荷を買い、罪を櫂として海を渡るのであったよ。

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山家集 - 西行

同じくは牡蠣をぞ刺して干しもすべき
蛤よりは名もたよりあり

同じことなら、牡蠣を串に刺して干すべきだ。蛤よりは、串柿に通じて名前もふさわしい。

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山家集 - 西行

栄螺住む瀬戸の岩壺求め出でて
急ぎし海人のけしきなるかな

栄螺の住む瀬戸の岩のくぼみを探し出して、急いで潜っていった海人の様子であることよ。

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