古典和歌stream

金葉和歌集 - 前斎宮河内

恋ひ恋ひて今宵ばかりや七夕の
枕に塵の積もらざるらむ

恋い慕い続けて、今夜ばかりは織女の枕に塵が積もらないのだろうか。

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金葉和歌集

天の川別れに胸のこがるれば
帰さの舟は楫もとられず

天の川での別れに胸が焦がれるので、帰りの舟は楫を取ることもできない。

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金葉和歌集 - 源国信

七夕に貸せる衣の露けさに
飽かぬ気色を空に知るかな

七夕に貸した衣がしっとりと露に濡れているので、二星が名残を惜しむ様子を、見たわけではないがそれとなく知ることだ。

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金葉和歌集

限りありて別るる時も七夕の
涙の色は変はらざりけり

定めがあって別れる時であっても、織女の流す涙の色は変わらないことだ。

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金葉和歌集 - 源師時

七夕の飽かぬ別れの涙にや
花のかづらも露けかるらむ

織女の名残尽きない別れの涙のためだろうか、髪に飾った花のかずらも露に濡れているのだろう。

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金葉和歌集

天の川帰さの舟に波かけよ
乗りわづらはば程も経ばかり

天の川よ、帰りの舟に波をかけてくれ。舟に乗りあぐねたなら、少しでも時が延びるだろうから。

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金葉和歌集

帰るさは浅瀬も知らじ天の川
飽かぬ涙に水しまさらば

帰り道には浅瀬もわからないだろう。天の川が、別れを惜しむ涙で水かさを増したならば。

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金葉和歌集

咲き初むるあしたの原の女郎花
秋を知らするつまにぞありける

咲き始めた朝の原の女郎花は、秋の訪れを知らせるきっかけであったことだ。

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金葉和歌集

咲きにけりくちなし色の女郎花
言はねどしるし秋の気色は

咲いたことだ、くちなし色の女郎花が。口なしの名のとおり何も言わないけれど、秋の気配ははっきりとわかる。

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金葉和歌集 - 源経信

おのづから秋は来にけり山里の
葛はひかかる槙の伏屋に

おのずと秋はやって来たことだ。山里の、葛が這いかかっている槙の伏屋に。

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金葉和歌集

稲葉吹く風の音せぬ宿ならば
何につけてか秋を知らまし

稲の葉を吹く風の音がしない家であったならば、何によって秋を知ることができただろうか。

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金葉和歌集

山深み訪ふ人もなき宿なれど
外面の小田に秋は来にけり

山が深いので訪ねてくる人もない家だけれども、家の外の田には秋がやって来たことだ。

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金葉和歌集 - 源経信

夕されば門田の稲葉おとづれて
葦のまろやに秋風ぞ吹く

夕方になると、門前の田の稲葉をそよそよと音を立てて訪れ、葦葺きの粗末な小屋に秋風が吹いてくることだ。

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金葉和歌集

山の端に飽かで入りぬる夕月夜
いつ有明にならむとすらむ

見飽きないうちに山の端に沈んでしまった夕月夜よ。いつになったら有明の月となって、夜明けまで長く見られるようになるのだろうか。

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金葉和歌集

風吹けば枝安からぬ木の間より
ほのめく秋の夕月夜かな

風が吹くので枝が揺れて落ち着かない木の間から、ちらちらとほのかに見える秋の夕月夜であることよ。

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金葉和歌集

草枕この旅寝にぞ思ひ知る
月よりほかの友なかりけり

この旅寝で思い知ったことだ。月のほかに友はいないのだと。

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