古典和歌stream

金槐和歌集 - 源実朝

うたた寝の夜の衣に香るなり
もの思ふ宿の軒の橘

うたた寝をしている夜の衣に香ってくる。もの思いにふける家の、軒端の橘の花が。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

袖濡れて今日葺く宿のあやめ草
いづれの沼に誰か引きけむ

袖を濡らして今日軒に葺く家のあやめ草は、どこの沼で、誰が引き抜いてきたのだろうか。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

五月雨に水まさるらむあやめ草
うれ葉隠れて刈る人もなし

五月雨で水かさが増しているのだろう。あやめ草の葉先まで水に隠れて、刈る人もいない。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

五月雨は心あらなむ雲間より
出で来る月を待てば苦しも

五月雨よ、情けがあってほしい。雲の切れ間から出てくる月を待っていると、つらいのだから。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

五月山おぼつかなきを夕月夜
木隠れてのみ鹿や待つらむ

五月の山はおぼつかなく暗いのに、夕月夜のもと、木陰に隠れてばかりで、狩人は鹿を待っているのだろうか。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

ゆかしくば行きても見ませゆき島の
巌に生ふる撫子の花

見たいと心ひかれるなら、行ってでも見てごらんなさい。ゆき島の岩の上に生えている撫子の花を。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

小夜更けて蓮の浮き葉の露の上に
玉と見るまでやどる月影

夜が更けて、蓮の浮き葉に置いた露の上に、玉かと見えるほどに月の光が宿っている。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

岩くぐる水にや秋のたつた川
川風涼し夏の夕暮

岩の間をくぐって流れる水に、もう秋が立ったのだろうか。竜田川の川風が涼しい、夏の夕暮れに。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

かきつばた生ふる沢辺に飛ぶ蛍
数こそまされ秋や近けむ

かきつばたの生える沢のほとりを飛ぶ蛍は、数が増すばかりだ。秋が近いのだろうか。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

夏山に鳴くなる蟬の木隠れて
秋近しとや声も惜しまむ

夏山で鳴いている蝉は木陰に隠れて、秋が近いというので、鳴く声までも名残惜しんでいるのだろうか。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

泉川柞の森に鳴く蟬の
声の澄めるは夏の深さか

泉川のほとり、柞の森で鳴く蝉の声が澄んで聞こえるのは、夏が深まったからだろうか。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

夏深み思ひもかけぬうたた寝の
夜の衣に秋風ぞ吹く

夏が深まったので、思いもかけないことに、うたた寝をしている夜の衣に秋風が吹いてくる。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

秋近くなるしるしにや玉すだれ
小簾の間通し風ぞ涼しき

秋が近くなるしるしなのだろうか。玉すだれの小簾の隙間を通して、風が涼しく吹いてくる。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

夏はただ今宵ばかりと思ひ寝の
夢路に涼し秋の初風

夏はただ今宵限りだと思いながら寝た、その夢の中の道に、秋の初風が涼しく吹いている。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

昨日まで花の散るをぞ惜しみこし
夢か現か夏も暮れにけり

つい昨日まで花の散るのを惜しんできた。夢なのか現実なのか、もう夏も暮れてしまった。

詳細を見る

金槐和歌集 - 源実朝

禊する川瀬に暮れぬ夏の日の
入相の鐘のその声により

禊をする川瀬で、夏の日は暮れてしまった。入相の鐘の、その響きによってそれと知る。

詳細を見る