- 表題
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- 詞花和歌集
詞花和歌集 - 津守国基
六年にぞ君は来まさむ住吉の
まつべき身こそいたく老いぬれ
六年たって、ようやくあなたはお帰りになるのだろう。住吉の松のように、あなたを待ち続けるはずの私の身は、ひどく年老いてしまったことだ。
あかねさす日に向ひても思ひ出でよ
都ははれぬながめすらむと
輝く日に向かうたびにも思い出してほしい。都では私が、晴れない長雨のなかで、晴れない心のまま物思いにふけっているだろうと。
暮ればまづそなたをのみぞ眺むべき
出でむ日ごとに思ひおこせよ
日が暮れたら、まず何よりもあなたのいる方角ばかりを眺めることにしよう。あなたも日が昇るたびに、私のことを思いやってほしい。
詞花和歌集 - よみ人しらず
東路のはるけき道を行きめぐり
いつかとくべき下紐の関
東国へ向かう遥かな道を行きめぐって、いつになったら下紐の関を越え、別れの際に結んだ下紐を解くことができるのだろうか。
詞花和歌集 - 永縁
立ち別れはるかにいきのまつなれば
恋しかるべき千代のかげかな
別れて遥か遠く生の松原へと行き、私はその帰りを待つ身となるのだから、千年も続く松の木陰のようなあなたの姿が、さぞ恋しく思われることだろう。
はかなくも今朝の別れの惜しきかな
いつかは人をながらへて見し
我ながらはかないことに、今朝の別れが惜しくてならない。いったいいつ、人がいつまでも生きながらえるのを見たことがあっただろうか。
詞花和歌集 - 藤原実方
いかでかはおもひありとも知らすべき
室の八島の煙ならでは
どうして胸の思いがあるとあなたに知らせることができようか。室の八島に立つ煙のように、ひそかに立ちのぼる煙でもなければ。
かくとだに言はではかなく恋ひ死なば
やがて知られぬ身とやなりなむ
こうして恋しく思っているとさえ言わずに、はかなく恋い死にしてしまったら、そのまま誰にも知られない身となってしまうのだろうか。
詞花和歌集 - 平兼盛
谷川の岩間を分けて行く水の
音にのみやは聞かむと思ひし
谷川の岩の間を分けて流れていく水の音のように、あなたのことを噂にだけ聞いていようと思っていただろうか。いや、そうではなかった。