- 表題
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- 詞花和歌集
詞花和歌集 - 祐子内親王家紀伊
常よりも露けかりける今宵かな
これやあきたつはじめなるらむ
いつもよりも露にしめっぽく、涙がちな今宵であることだ。これが秋の立つはじめ、あの人がわたしに飽きはじめるはじめなのだろうか。
堰きとむる岩間の水もおのづから
下には通ふものとこそ聞け
せき止められている岩間の水も、自然と下のほうでは通い合うものだと聞いている。わたしたちの仲も、表では隔てられていても、心の底では通じ合えるはずだ。
詞花和歌集 - 赤染衛門
もろともにおきゐる露のなかりせば
誰とか秋の夜を明かさまし
わたしとともに起きている、草葉に置いている露がなかったならば、いったい誰と一緒にこの秋の夜を明かしたらよいのだろうか。
詞花和歌集 - よみ人しらず
つらしとて我さへ人を忘れなば
さりとて仲の絶えやはつべき
冷たいからといって、わたしまでもあの人を忘れてしまったならば、それでこの仲がすっかり絶えてしまってよいものだろうか。
御狩野のしばしの恋はさもあらばあれ
反りはてぬるか矢形尾の鷹
御狩野でのしばしの恋は、どうなってもかまわない。それにしても、すっかりわたしの手からそれていってしまったのか、矢形尾の鷹は。