万葉集 - 満誓
筑紫の綿は、まだ身につけて着たことはないが、いかにも暖かそうに見える。
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万葉集 - 山上憶良
憶良めはもうおいとまいたしましょう。家では子が泣いているでしょう。その子の母も私を待っているでしょうから。
万葉集 - 大伴旅人
考えても甲斐のないことをくよくよ思うよりは、一杯の濁り酒を飲むほうがよいらしい。
酒の名を「聖人」と名付けた昔の大聖人の言葉の、なんと素晴らしいことか。
昔の竹林の七賢たちも、欲しがったものは酒であったらしい。
賢そうにものを言うよりは、酒を飲んで酔い泣きするほうがまさっているらしい。
何とも言いようもしようもないほど、この上なく貴いものは酒であるらしい。
中途半端に人間でいるよりは、いっそ酒壺になってしまいたい。そうすればいつも酒にしみこんでいられるだろう。
ああ見苦しい。賢こぶって酒を飲まない人をよく見たら、猿に似ているのではなかろうか。
値のつけようもないほどの宝といっても、一杯の濁り酒にどうしてまさることがあろうか。
夜に光る玉といっても、酒を飲んで憂さを晴らすことに、どうして及ぶだろうか。
世の中の遊びの道の中で楽しいものといえば、酔い泣きすることであるらしい。
この世で楽しく過ごせるならば、来世では虫にでも鳥にでも、私はなってしまおう。
生きている者はいつかは必ず死ぬものであるから、この世にいる間は楽しく過ごしたいものだ。
黙りこんで賢こぶっているのは、酒を飲んで酔い泣きすることに、やはり及ばないことだ。
世の中を何にたとえようか。朝早く港を漕ぎ出して行った船の跡が、何も残らないようなものだ。