古典和歌stream

詞花和歌集 - 増基

朝な朝な鹿のしがらむ萩が枝の
末葉の露のありがたの世や

毎朝、鹿が体にからみつけるようにして通る萩の枝の、その葉先の露のように、生きながらえることのむずかしいこの世であることよ。

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詞花和歌集

花薄招かばここにとまりなむ
いづれの野辺もつひの住処ぞ

花すすきが招くのなら、ここにとどまってしまおう。どの野辺であっても、最後の住まいであることに変わりはないのだから。

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詞花和歌集

よそに見し尾花が末の白露は
あるかなきかの我が身なりけり

これまで他人事として見ていた尾花の穂先の白露は、あるかないかも分からないほどはかない、わが身そのものであった。

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詞花和歌集 - 花山院

かくしつつ今はとならむ時にこそ
悔しきことのかひもなからめ

こうして日々を過ごしながら、いよいよ最期という時になってこそ、悔やんでもその甲斐もないことだろう。

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詞花和歌集 - 和泉式部

夕暮れはものぞ悲しき鐘の音を
明日も聞くべき身とし知らねば

夕暮れは何とも悲しい。この夕べの鐘の音を、明日も聞くことのできる身だとも分からないので。

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詞花和歌集

鶯の鳴くに涙の落つるかな
またもや春に逢はむとすらむ

鶯が鳴くのを聞くと涙がこぼれ落ちることだ。またふたたび春にめぐり逢うことができるだろうか。

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詞花和歌集

皆人の昔語りになりゆくを
いつまでよそに聞かむとすらむ

知る人がみな亡くなって昔語りになっていくのを、わたしはいつまで他人事として聞いていられるのだろうか。

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詞花和歌集

この世だに月待つほどは苦しきに
あはれいかなる闇に惑はむ

この世でさえ月の出を待つ間の闇は苦しいのに、ああ、死後はどのような闇に迷うことになるのだろう。

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詞花和歌集 - 良暹

おぼつかなまだ見ぬ道を死出の山
雪踏み分けて越えむとすらむ

心もとないことだ。まだ見たこともない道を、死出の山の雪を踏み分けて越えていくことになるのだろうか。

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詞花和歌集 - 赤染衛門

かはらむと祈る命は惜しからで
さても別れむことぞ悲しき

子の身代わりになろうと祈るわたしの命は惜しくはないけれども、そうして子と別れてしまうことが悲しい。

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詞花和歌集 - 行尊

この世にはまたも逢ふまじ梅の花
散り散りならむことぞ悲しき

この世では二度と会うことはないだろう。梅の花が散るように、散り散りに別れてしまうことが悲しい。

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詞花和歌集 - よみ人しらず

この身をば空しきものと知りぬれば
罪得むこともあらじとぞ思ふ

この身を実体のない空しいものと悟ったので、罪を得ることもあるまいと思う。

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詞花和歌集 - 増基

我が思ふことの繁さにくらぶれば
信太の森の千枝は数かは

わたしの思い悩むことの多さに比べれば、信太の森の楠の千に分かれた枝など、物の数に入るだろうか、いや入りはしない。

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詞花和歌集

網代には沈む水屑もなかりけり
宇治のわたりに我や住ままし

網代には、沈んでしまう水屑さえもなかったのだ。それならば宇治のあたりに、わたしは住んでみようか。

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詞花和歌集 - 良暹

大原やまだ炭竈も習はねば
我が宿のみぞ煙絶えたる

大原の里では、わたしはまだ炭竈で炭を焼くことも習い覚えていないので、わたしの住まいだけが煙が絶えている。

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詞花和歌集

涙川その水上を尋ぬれば
世の憂き目より出づるなりけり

涙の川の、その水源をたずねてみると、世の中のつらい目から流れ出ているのであった。

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