- 表題
- -
- 金葉和歌集
金葉和歌集 - よみ人しらず
つらしともおろかなるにぞ言はれける
いかに恨むと人に知らせむ
「つらい」と言えたのも、思いがまだ浅かったからだったのだ。今はどれほど恨んでいると、あの人に知らせたらよいのだろうか。
金葉和歌集 - よみ人しらず
あさましやなどかき絶ゆる藻塩草
さこそは海人のすさびなりとも
あきれたことだ。どうして便りを書き絶やしてしまうのか。藻塩草を掻き集める海人の、ほんの気まぐれの慰みであったとしても。
金葉和歌集 - 花園左大臣家小大進
ふみ初めて思ひ返りし紅の
筆のすさびをいかで見せけむ
手紙を書き始めては思い直したのに、紅に染まるような思いを書きつけた筆のすさびを、どうして見せてしまったのだろうか。
金葉和歌集 - 藤原公実
思ひあまりいかで漏らさむ小野山の
岩垣込むる谷の下水
思いがあふれて、何とかしてこの思いを漏らし伝えたい。小野山の岩垣に閉じ込められた谷の下を流れる水のような、この秘めた恋を。