古典和歌stream

金葉和歌集

眺むれば恋しき人の恋しきに
曇らば曇れ秋の夜の月

眺めていると恋しい人がいっそう恋しくなるので、曇るならば曇ってしまえ、秋の夜の月よ。

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金葉和歌集 - よみ人しらず

つらしともおろかなるにぞ言はれける
いかに恨むと人に知らせむ

「つらい」と言えたのも、思いがまだ浅かったからだったのだ。今はどれほど恨んでいると、あの人に知らせたらよいのだろうか。

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金葉和歌集

面影は数ならぬ身に恋ひられて
雲居の月を誰と見るらむ

あなたの面影は、取るに足りない私に恋い慕われている。そのあなたは今ごろ、雲の上の月を誰と見ているのだろうか。

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金葉和歌集 - よみ人しらず

あさましやなどかき絶ゆる藻塩草
さこそは海人のすさびなりとも

あきれたことだ。どうして便りを書き絶やしてしまうのか。藻塩草を掻き集める海人の、ほんの気まぐれの慰みであったとしても。

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金葉和歌集 - 花園左大臣家小大進

ふみ初めて思ひ返りし紅の
筆のすさびをいかで見せけむ

手紙を書き始めては思い直したのに、紅に染まるような思いを書きつけた筆のすさびを、どうして見せてしまったのだろうか。

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金葉和歌集

知るらめや淀の継橋よとともに
つれなき人を恋ひわたるとは

あの人は知っているだろうか。淀の継橋を渡るように、夜ごとに、つれないあの人を恋い続けているとは。

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金葉和歌集

恋ひわびて押さふる袖や流れ出づる
涙の川の井堰なるらむ

恋に思い悩んで目に押し当てる袖は、流れ出る涙の川をせき止める井堰なのだろうか。

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金葉和歌集

流れての名にぞ立ちぬる涙川
人目つつみをせきしあへねば

涙の川が流れていくように、恋の噂が世に立ってしまった。人目をはばかって包み隠す堤では、涙をせき止めきれないので。

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金葉和歌集

涙川袖の井堰も朽ち果てて
淀むかたなき恋もするかな

涙の川をせき止める袖の井堰もすっかり朽ち果てて、淀みとどまる所もないような恋をしていることだ。

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金葉和歌集

かくとだにまだいはしろの結び松
むすぼほれたる我が心かな

こう思っているとさえ、まだ言わないでいる。岩代の結び松のように、結ぼれて晴れない私の心であることだ。

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金葉和歌集 - 藤原顕輔

恋すてふもじの関守幾たびか
我書きつらむ心づくしに

恋をしているという文字を、門司の関の関守ではないが、私は幾度書いたことだろうか。心を尽くして。

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金葉和歌集

命だにはかなからずは年経とも
逢ひ見むことを待たましものを

せめて命だけでもはかないものでなかったら、何年たとうとも、逢える日を待っていようものを。

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金葉和歌集

つらかりし心ならひに逢ひ見ても
なほ夢かとぞ疑はれける

つらい仕打ちに慣れてしまった心の癖で、こうして逢っても、やはり夢ではないかと疑われることだ。

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金葉和歌集 - 藤原公実

思ひあまりいかで漏らさむ小野山の
岩垣込むる谷の下水

思いがあふれて、何とかしてこの思いを漏らし伝えたい。小野山の岩垣に閉じ込められた谷の下を流れる水のような、この秘めた恋を。

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金葉和歌集 - 藤原顕輔

年経れど人もすさべぬ我が恋や
くちきの杣の谷の埋もれ木

年月がたっても、あの人が心を寄せてもくれない私の恋は、朽木の杣山の谷に埋もれた木のようなものなのだろうか。

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金葉和歌集 - よみ人しらず

いかにせむ数ならぬ身に従はで
つつむ袖より余る涙を

どうしたらよいのだろう。取るに足りない身のほどにも従わず、包み隠す袖からあふれ出る涙を。

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