- 表題
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- 金葉和歌集
金葉和歌集 - 藤原忠通
言はぬ間は下這ふ葦の根をしげみ
隙なき恋を人知るらめや
口に出して言わない間は、水の下を這う葦の根が茂っているように、隙間なく思い続けるこの恋を、あの人は知っているだろうか。
待ちし夜の更けしを何に嘆きけむ
思ひ絶えても過ぐしける身を
待っていた夜が更けていったのを、どうしてあれほど嘆いたのだろうか。思いを断たれても、こうして日を過ごしてきた身なのに。
かき絶えてほども経ぬるをささがにの
今は心にかからずもがな
すっかり便りが絶えてから、もう長い時がたったのだから、蜘蛛の糸が掛かるように、今はもう心にあの人のことが掛からなければよいのに。
金葉和歌集 - 京極関白家肥後
思ひやれ訪はで日をふる五月雨の
ひとりやどもる袖のしづくを
思いやってほしい。あなたが訪れないまま日を経て降り続く五月雨の中、ひとり家を守って、雨漏りのように濡れる私の袖のしずくを。