古典和歌stream

和泉式部日記 - 和泉式部

よと共に物思ふ人は夜とても
うちとけてめのあふ時もなし

いつも物思いをしている人は、夜であっても、くつろいで目を閉じて眠る時もない。

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和泉式部日記 - 和泉式部

おりすきはさても社︀やめ五月雨の
今宵菖蒲のねをやかけまし

時節が過ぎてしまったならば、それでやめもしよう。けれども五月雨の降る今宵は、菖蒲の根を掛けるように、声をあげて泣こうか。

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和泉式部日記 - 敦道親王

つらけれと忘れやはする程ふれは
いと戀しきにけふはまけ南

つらいけれど、忘れたりするものか。時がたつと、たいそう恋しいので、今日は恋しさに負けてしまおう。

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和泉式部日記 - 和泉式部

まくるともみえぬ物から玉葛
とふ人すらもたえまかちにて

負けたともお見受けできないのに。玉かずらが途切れがちなように、訪ねてくださる人までも絶え間がちで。

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和泉式部日記 - 敦道親王

あけさりし槇の戶口に立なから
つらき心のためしとそ見し

開けてもらえなかった槇の戸口に立ったまま、つれない心のためしを見る思いがした。

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和泉式部日記 - 和泉式部

いかてかは槇の板戶もさし乍ら
つらき心のありなしをみん

どうして、槇の板戸を閉ざしたままで、つれない心があるかないかが分かるだろうか。

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和泉式部日記 - 敦道親王

おほかたにさみたるゝとや思ふらん
君戀渡るけふの詠めを

ありきたりの五月雨が降っているとでも思っているだろうか。あなたを恋い続けて、今日私が物思いにふける長雨を。

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和泉式部日記 - 和泉式部

忍ふらん物ともしらてをのかたゝ
みをしる雨と思ひける哉

あなたが私を偲んで降らせている雨だとも知らないで、ただ自分の身のほどを思い知らせる雨だと思っていたことだ。

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和泉式部日記 - 和泉式部

ふれはよのいとゝ憂身のしらるゝを
今日の詠めに水增ら南

雨が降るにつけ、この世に生きるわが身のつらさがいっそう思い知られるので、今日の長雨で水かさが増して、この身を流してほしい。

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和泉式部日記 - 敦道親王

何せんにみをさへ捨てんと思らん
天か下には君のみやふる

どうして身まで捨てようと思うのだろうか。この天の下で、雨に降られ、つらい世を過ごしているのはあなただけだろうか。

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和泉式部日記 - 和泉式部

よもすから何事をかはおもひつる
窓うつ雨の音をきゝつゝ

一晩じゅう、何を思っていたとお思いか。窓を打つ雨の音を聞きながら。

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和泉式部日記 - 敦道親王

我もさそ思やりつる雨の音を
させるつまなき宿はいかにと

私もそのように思いやっていた。雨の音を聞きながら、これといった軒端もなく、頼りとする夫もいない宿はどうしているだろうかと。

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和泉式部日記 - 敦道親王

大水のきしつきたるにくらふれと
深き心はなをそまされる

大水が岸いっぱいに満ちているのと比べてみても、あなたを思う私の深い心は、やはりまさっている。

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和泉式部日記 - 和泉式部

今はよもきしもせしかし大水の
深きこゝろは川と見せつゝ

今はまさか、岸を越えて私のもとへ来ることもないだろう。大水のように深い心だと、口ではお見せになりながら。

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和泉式部日記 - 敦道親王

よひことに返しはすれといかて猶
曉おきは君になさせし

宵ごとにあなたを帰すことはしても、何とかして、暁に起きて帰るつらさだけは、やはりあなたにさせまい。

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和泉式部日記 - 和泉式部

朝露におくる思ひにくらふれは
たゝに歸らん宵はまされり

朝露の置く頃に起きて送られて帰るつらい思いに比べれば、何事もなくそのまま帰る宵の方がまさっている。

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