古典和歌stream

山家集 - 西行

若菜摘む今日に初子のあひぬれば
まつにや人の心ひくらん

若菜を摘む今日の日に初子の日が重なったので、あなたの心は若菜よりも小松に引かれ、また人を待つ思いに引かれているのだろうか。

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山家集 - 西行

今日はただ思ひも寄らで帰りなん
雪つむ野辺の若菜なりけり

今日はただ若菜摘みなど思いも寄らずに帰ろう。雪の積もった野辺の若菜であったのだから。

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山家集 - 西行

春日野は年のうちには雪積みて
春は若菜の生ふるなりけり

春日野は、年のうちには雪が積もって、春になると若菜が生えてくるのだなあ。

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山家集 - 西行

春雨のふるのの若菜生ひぬらし
濡れ濡れ摘まんかたみたぬされ

春雨が降る布留野の若菜は、もう生え出たらしい。濡れながらでも摘もう、籠を手に携えて。

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山家集 - 西行

若菜摘む野辺の霞にあはれなる
昔を遠くへだつと思へば

若菜を摘む野辺の霞にしみじみと心を動かされる。この霞が、懐かしい昔を遠く隔てていると思うと。

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山家集 - 西行

卯杖つき七草にこそ老いにけれ
年を重ねて摘める若菜に

卯杖をつくほどに、七草を摘むたびにこそ老いてしまったことだ。年を重ねるごとに摘んできた若菜によって。

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山家集 - 西行

若菜生ふる春の野守に我なりて
憂き世を人につみ知らせばや

若菜の生える春の野の番人に私がなって、若菜を摘ませながら、この世がつらく罪深いものであることを人々に知らせたいものだ。

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山家集 - 西行

憂き身にて聞くも惜しきは鶯の
霞にむせぶ曙の山

つらいこの身で聞くのももったいないと思われるのは、霞の中でむせぶように鳴く鶯の声が響く、曙の山である。

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山家集 - 西行

鶯の声ぞ霞に漏れて来る
人目乏しき春の山里

鶯の声が霞の中から漏れ聞こえてくる。人の訪れもまれな春の山里では。

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山家集 - 西行

鶯のはるさめさめと鳴きゐたる
竹の雫や涙なるらん

春雨の中で、鶯がさめざめと泣くように鳴いている。竹から落ちる雫は、その鶯の涙なのだろうか。

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山家集 - 西行

古巣うとく谷の鶯なり果てば
我やかはりてなかんとすらん

谷の鶯がすっかり古巣から遠ざかってしまったなら、私が代わりに鳴き、また泣こうとするのだろうか。

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山家集 - 西行

鶯は谷の古巣を出でぬとも
我が行方をば忘れざらなん

鶯は谷の古巣を出て行ってしまっても、私の居所だけは忘れないでいてほしい。

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山家集 - 西行

鶯は我を巣守に頼みてや
谷の岡辺は出でて鳴くらむ

鶯は私を巣の番人として頼りにして、谷の岡辺を出て、よそで鳴いているのだろうか。

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山家集 - 西行

春のほどは我が住む庵の友になりて
古巣な出でそ谷の鶯

春の間だけでも、私の住む庵の友となって、古巣を出て行かないでおくれ、谷の鶯よ。

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山家集 - 西行

萌え出づる若菜あさると聞こゆなり
雉鳴く野の春の曙

萌え出た若菜をついばんでいるらしく、その声が聞こえてくる。雉の鳴く野の春の曙よ。

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山家集 - 西行

生ひかはる春の若草待ちわびて
原の枯野に雉鳴くなり

枯れ草と生え替わる春の若草を待ちわびて、野原の枯野で雉が鳴いているようだ。

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