古典和歌stream

古今和歌集 - よみ人しらず

駿河なる田子の浦波立たぬ日は
あれども君を恋ひぬ日はなし

駿河の国にある田子の浦の波が立たない日はあっても、あなたを恋しく思わない日はない。

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古今和歌集 - よみ人しらず

夕月夜さすや岡辺の松の葉の
いつともわかぬ恋もするかな

夕月の光が差す岡のあたりの松の葉が、季節を問わずいつも変わらず緑であるように、いつと区別もつかない、絶え間ない恋をすることだ。

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古今和歌集 - よみ人しらず

葦引の山下水の木隠れて
たぎつ心をせきぞかねつる

山の木々の下を人目につかずに流れる水が激しく沸き立つように、人に知られず秘めてきたが、激しく湧き立つ心をせき止めることができなくなった。

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古今和歌集 - よみ人しらず

吉野川岩切りとほし行く水の
音には立てじ恋ひは死ぬとも

吉野川の岩を切り通して流れていく水は激しく音を立てるが、私は声に出して恋を人に知られたりはしない。たとえ恋に死ぬことになっても。

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古今和歌集 - よみ人しらず

たぎつ瀬の中にも淀はありてふを
などわが恋の淵瀬ともなき

激しく流れる早瀬の中にさえ、流れのよどむ所はあるというのに、どうして私の恋には淵も瀬もなく、ただ激しく流れるばかりなのか。

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古今和歌集 - よみ人しらず

山高み下行く水の下にのみ
流れて恋ひむ恋ひは死ぬとも

山が高いので木々の下を流れていく水のように、ひそかに心の中だけで、ずっと恋い続けよう。たとえ恋のために死ぬことになっても。

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古今和歌集 - よみ人しらず

思ひ出づるときはの山の岩つつじ
いはねばこそあれ恋しきものを

あの人を思い出す時はいつも、常盤の山の岩つつじの「いは」ではないが、口に出して言わないだけで、本当は恋しくてたまらないのに。

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古今和歌集 - よみ人しらず

人知れず思へば苦し紅の
末摘花の色に出でなむ

人に知られないように思い続けていると苦しい。いっそ紅の末摘花のように、はっきりと表に出してしまおう。

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古今和歌集 - よみ人しらず

秋の野の尾花にまじり咲く花の
色にや恋ひむ逢ふよしをなみ

秋の野のすすきの穂に混じって咲く花の色のように、思いを表に出して恋い慕おうか。逢う手立てがないので。

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古今和歌集 - よみ人しらず

わが園の梅のほつえに鶯の
音になきぬべき恋もするかな

わが家の庭の梅の上の枝で鶯が声をあげて鳴くように、私も声をあげて泣いてしまいそうな恋をすることだ。

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古今和歌集 - よみ人しらず

あしひきの山郭公わがごとや
君に恋ひつつ寝ねがてにする

山のほととぎすよ、お前も私と同じように、誰かを恋い慕いながら眠れずに鳴いているのか。

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古今和歌集 - よみ人しらず

夏なれば宿にふすぶる蚊遣火の
いつまでわが身下燃えをせむ

夏なので家でくすぶらせている蚊遣火のように、いつまで私は表に出さず胸の内で恋の火をくすぶらせ続けるのだろうか。

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古今和歌集 - よみ人しらず

恋せじと御手洗川にせし禊
神は受けずぞなりにけらしも

もう恋はするまいと御手洗川でした禊を、神は受け入れてくださらなかったらしい。

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古今和歌集 - よみ人しらず

あはれてふ言だになくは何をかは
恋の乱れの束ね緒にせむ

「ああ」という言葉さえなかったら、いったい何を、恋に乱れる心を束ねる緒にすればよいのだろうか。

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古今和歌集 - よみ人しらず

思ふには忍ぶることぞ負けにける
色には出でじと思ひしものを

恋い慕う気持ちに、こらえ忍ぶ心が負けてしまった。決して顔色には出すまいと思っていたのに。

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古今和歌集 - よみ人しらず

わが恋を人知るらめや敷妙の
枕のみこそ知らば知るらめ

私の恋を人は知っているだろうか、いや知るまい。知っているとすれば、毎夜涙に濡れる枕だけが知っているだろう。

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