古典和歌stream

古今和歌集 - よみ人しらず

つれもなき人を恋ふとて山彦の
こたへするまで嘆きつるかな

冷たい人を恋い慕うというので、山彦がこだまを返すほどまでに、大きな声で嘆いたことだ。

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古今和歌集 - よみ人しらず

行く水に数書くよりもはかなきは
思はぬ人を思ふなりけり

流れていく水に数を書くことよりもむなしいのは、自分を思ってくれない人を思うことなのだった。

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古今和歌集 - よみ人しらず

人を思ふ心は我にあらねばや
身の惑ふだに知られざるらむ

あの人を思う心は、もう私のもとにはないからだろうか。わが身が恋に迷っていることさえ、自分でわからないのは。

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古今和歌集 - よみ人しらず

思ひやる境はるかになりやする
惑ふ夢路に逢ふ人のなき

思いを馳せるあの人との隔たりが、遥かに遠くなってしまったのだろうか。迷いながらたどる夢の中の道で、逢う人もいない。

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古今和歌集 - よみ人しらず

夢の内に逢ひ見むことを頼みつつ
暮らせる宵は寝む方もなし

夢の中であの人に逢えることを頼みにしながら一日を過ごしてきた夜は、かえってどう寝たらよいのかわからない。

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古今和歌集 - よみ人しらず

恋ひ死ねとするわざならしむばたまの
夜はすがらに夢に見えつつ

恋い死にせよと仕向けるしわざであるらしい。夜は一晩中、あの人が夢に現れ続けることは。

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古今和歌集 - よみ人しらず

涙川枕流るるうき寝には
夢もさだかに見えずぞありける

涙の川が枕を流れるほどの、つらく浮いたような寝覚めがちな寝方では、夢さえもはっきりとは見えなかったのだった。

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古今和歌集 - よみ人しらず

恋すればわが身は影となりにけり
さりとて人に添はぬものゆゑ

恋をしたので、わが身は痩せ衰えて影のようになってしまった。そうかといって、影のようにあの人に寄り添えるわけでもないのに。

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古今和歌集 - よみ人しらず

篝火にあらぬわが身のなぞもかく
涙の川に浮きて燃ゆらむ

篝火でもない私の身が、どうしてこのように、涙の川に浮かびながら恋の火に燃えているのだろうか。

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古今和歌集 - よみ人しらず

篝火の影となる身のわびしきは
流れて下に燃ゆるなりけり

篝火が水面に映る影のようになった身がつらいのは、涙に流れながらも、水の下で燃えるように、心の底で恋に燃え続けることなのだった。

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古今和歌集 - よみ人しらず

早き瀬にみるめ生ひせばわが袖の
涙の川に植ゑましものを

流れの速い瀬にも海松布が生えるものならば、私の袖を流れる涙の川に植えるのになあ。そうすれば、あの人に逢う機会も得られるだろうに。

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古今和歌集 - よみ人しらず

沖辺にも寄らぬ玉藻の波の上に
乱れてのみや恋ひわたりなむ

沖の方にも岸の方にも寄りつかず、波の上に漂い乱れる玉藻のように、私は心乱れてばかりで、恋い続けていくのだろうか。

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古今和歌集 - よみ人しらず

葦鴨の騒ぐ入江の白波の
知らずや人をかく恋ひむとは

葦辺の鴨が騒ぐ入江に立つ白波の「しら」ではないが、あの人は知らないのだろうか。私がこれほどまでに恋い慕っているとは。

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古今和歌集 - よみ人しらず

人知れぬおもひを常にするがなる
富士の山こそわが身なりけれ

人に知られない恋の思いの火を、いつも燃やしている駿河の国の富士の山こそ、私自身の姿なのだった。

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古今和歌集 - よみ人しらず

飛ぶ鳥の声も聞こえぬ奥山の
深き心を人は知らなむ

飛ぶ鳥の声さえ聞こえない奥山のように深い私の心を、あの人は知ってほしい。

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古今和歌集 - よみ人しらず

逢坂の木綿付け鳥もわがごとく
人や恋しき音のみ泣くらむ

逢坂の関の木綿付け鳥も、私と同じように恋しい人がいるのだろうか。声をあげて鳴いてばかりいるようだ。

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